【旅から旅/堀口晋作】 

 

ふと「つまらない」と感じる時がある。しかし、これを「つまらない」と表現してしまうのは面白くない。 今感じている「つまらない」感情や景色をもっと別の言い方で表現できないか、もっと相応しい言葉はないか、どう言えばいいかと試行錯誤してみる。

その試行錯誤の中から詩は生まれる。「旅から旅」という詩集はまさに、堀口晋作という男が、自分の人生を模索し試行錯誤した詩集である。 もしかすると堀口晋作の人生はドラマチックなものでも、破天荒なものでも、奇想天外なものでもないのかもしれない。

むしろその逆で、彼の人生は平凡でありふれた人生なのかもしれない。 しかし、彼はその人生に「道、半ばながら 満ち、足りている」のである。 なぜなら、彼は自分の人生を面白くしようとしているからである。いや、正確に言えば面白く捉えようとしているし、面白く伝えようとしている。そこが面白いのだ。

彼は人生の当事者でありながら、人生の観察者でもある。 人生を山と同じように「相も変わらず 収まりの良い岩に腰かけ、琥珀色の山と向き合う」のである。そして、彼は「求道はしない 哲学もしない 歩く ただこの道で存在する」だけなのである。

「旅から旅」には、作者が明らかに若い頃に作ったと思われるものから、「おお、これは」と思わせるような最近のものまであり、はっきり言って玉石混交である。しかし、それがいい。それでいいのだ。 なぜならこれは「旅から旅」であって、彼の人生そのものなのだから。

レビュー:怠惰