第16話

?味のお菓子


 ?味、もしくは謎味のお菓子について、何か引っ掛かった事はないだろうか?個人的には、正直コミュニケーションとしてよく分からん!と売り場で出会すたびに感じている。
 「クイズです!」なら分かるけど「謎です!」って自分で言ってて気恥ずかしくならないのだろうか?明らかにターゲットを子供に絞ってるお菓子に限った話ならまだしも。
製造した後に「?味」「謎味」と名付ける時の気持ちはどんなだろう?工場で製造に携わってる人達はどれくらい冷めた感情なのか気になる。消費者からするとパッケージに表記された原材料名だけでは味を予想し辛い事が、この?味が成立する一番の要因だ。一緒の売り場に並ぶオマケ付きお菓子のランダムで”何が当たるか分からないよ?”と今回の”どんな味か分からないよ?”では同じハテナでもこうも違ってくるのかと驚く。常識として食べ物で遊ぶのは良くない、とされるが味で遊ぶのもあまり良い気はしない。また、?味のパターンの一つとして、食べてる途中で味が変わるものがある。それを魔法と称するのはまだ分かる。本来一種類のはずの味が複数あるから”?”と形容出来ないことを言い表そうとしたなら、まぁこれはいいか。だが一種固定の味に対して”?”は分かりかねん。昔ネットで流れてきた飲食店でオムライスを頼んだら「お好きな絵やメッセージを自由にお描き下さい!」というテキストと共にケチャップが出された。のとワクワクに化けた投げやり感が共通してるように感じる。

 売り物としてではないが、参加者が持ち込む形で?味が実現してるものとして闇鍋がある。ロシアンルーレットとランダム性に関しては同じだが、激辛など味の方向性も不明なので闇鍋の方が?味のお菓子により近い存在だろう。そして闇鍋とロシアンルーレットの中間に位置するのが、USJ等で販売されているハリーポッターの百味ビーンズだろう。ペプシ・コーラは消費者目線で”発売動機が謎な味”として、しそ、あずき、塩スイカ、きゅうりなどがある。この消費者の能動的困惑からくる”謎”は理解出来る。こっちの方が全然恥ずかしさなどない。

 公式HPで後日味のネタバレを行うパターンも存在する。確か自分の経験した何かのお菓子でHPに正解として掲載されていた味が、ショートケーキ味だった記憶がある。この時も感じたのだが、正解とされる味が広義に捉えられるが故に「確かに!」と強く納得するというより、後から答えを知って「言われてみればそうかも」や「言い得て妙ですね(上手く着地させたねの意)」程度なのだ。味の形容の仕方が「海外のお土産みたいな味」みたいな暗黙の定義とも似ている。この気持ちが先に答えを知ってて食べるのと、食べた後に知るのとで、どれくらい差違があるのかも少し気になる。
4+1=⬜
4+⬜=5
の違いみたいなものだろうか。

 元も子もない個人的な願望としては、知育菓子に全て吸収されて欲しい。?味のお菓子を端から端まで知性で吸収し切れるのか、ほこ×たて感覚で観たい。

【記録係】
伊藤竣泰


『観察庁24時』

第15話:急増するガチャポンコーナー

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