『無いのに探す。それは、いつか訪れる死への導線のようである。』
意味を持つ言葉は想起させる役割を担う。
物か現象か。その場にない限りにおいて、言葉はイメージをうながすものであり、言葉で言葉を定義しても、言葉の中から抜けられず、先に進めない。その周辺や縁で、確定できないものを確定させようとする動きが表現であったりもする。
会話していて、感覚を伝える時に適切な言葉が見つからない時がよくある。そもそも伝わっているかどうかも不確定なのに、近似したところで、という思いもあるが、それでも伝えようとする行為に、人らしさを感じる。
説明ができないから、とにかく創る。
まだ、名前のついていないものを掘り当てていく、そんな行動のように思う。理由など、もともとないものを探していたりする。無いのに探す。それは、いつか訪れる死への導線のようである。
(2020年04月08日 心象記より)