左から、ボーカル&ギター・古屋ひかりさん、ベース・縫部たまきさん、キーボード・田中琴音さん、ドラム・近藤宇音さん
タイトル:A
※本人の楽曲を聴きながらインタビューを読めます
『走れ 衝動が燃え尽きるまで』
11.今生きているこの人生に関するこだわりを教えて下さい。
ひかり:今のモットーみたいなのは…シロイソラでやった曲で、今はやってないんですけど、「風をおこして」っていう曲があって。
その歌詞で、正にそれだなって思ったのが、「走れ 衝動が燃え尽きるまで 考えるようになったら負けだよ 10年後には君も街も変わる エネルギーは全部使い果たせ」っていうのがモットーです。
ヌイベ:若い。
ひかり:最近、「これだな!」ってすごく思って。その衝動って一瞬だし、今やりたいって思ったものもいつか消えちゃうかもしれないし、消えなくても形は変わってしまうかもしれないので。本能に従って生きるのって大事だなって。それが燃え尽きないうちはずっと走ってたいなって、思います。
-その曲はヌイベさん作詞ですか?
ヌイベ:そうですね。いつ作ったんだろ。
たなか:ヌイベが今のひーちゃんくらいの歳だったんじゃない?
ヌイベ:そうかもね。
ひかり:すごい良いこと言うなって。
ヌイベ:もう自分は変わったから、今はそうは思わない(笑)
一同笑
たなか:ここ何年か思ってるんですけど、「今を幸せに生きていたい」って思ってて。将来幸せになるために何かしたいっていうよりは、一瞬一瞬を幸せに。
前に、音楽をやってる人に「ちょっと気を病んでた方が良い曲が書ける」みたいなことを言われて。
それも分かるので否定はしないんですけど、それを人に求めて言うのは違うと思って。そんな形で自分の不幸を人に望まれるとは思ってなかったので、だからそのときすごいイラッとして(笑)幸せになろうって思って。
だからそれ以来…最近はあんまり曲も書いてないですけど、自分が体験してないことでも曲にできたらそっちの方がすごいと思うし、自分の人生はちゃんと自分で幸せにしたいなっていうのはすごく思ってます。
ねね:私は、いろんなものをやりたいっていうのが目標です。今までも、中学は新体操をやってて、高校で軽音やって、専門学校でデザインを学んで…という感じでいろんなものをやって、ちょっとずつかじっていくと、ちょっとしたことですごく感動できるんですよね。すごいって思うことに、ずっと気づいていられる人生にしたいって思います。
-いろんなことに感動できるってことですよね。
ねね:新体操をやってた頃、他のダンスを見たときに、足を同じ高さにキープしてるのがめっちゃすごいってことに気づいて。「これは自分で新体操をやってなかったら気づけなかったことだ」と思って、それに感動しました。
ヌイベ:自分は、自分の行動とか言動に覚悟を持って生きたいなっていうのがあって。今まで結構恵まれてきて、周りの人に「こういうことをやりたい」とか「こういう風にして」とか、今もそうなんですけど、言ったことが結構通りやすい環境にあるなって思って。
その分、自分の言ったことに対して責任、覚悟を持ちたい。これは自分が決めたこと、伝えたことだから、それで失敗したら自分が責任を負う。
「人のせいにしない」って言うと聞こえがよすぎるけど、そういう失敗とかの可能性もまるごと全部含めて受け入れる、先に起こること全てを受け入れる覚悟みたいなものを持っていきたいです。
っていうのと、常に面白い方に進んでいきたい。つまらないと死んじゃうと思うので(笑)面白そうって思った方に行って、なんかうまくいかなくてお金なくなったりとかそういうのでも、自分で選んだことだって納得できれば、それはそれでいいやって。やっぱり、自分の選択に覚悟を持ちたいっていうのがあります。
12.あなたを構成する9枚の作品を教えて下さい。
ひかりさん
1.YUI『MY SHORT STORIES』
私がまだ小学生だった時、テレビに映る彼女の姿を見て単純にかっこいいと思いました。
彼女に憧れて父にギターを買ってもらったのが、私が音楽を始めたきっかけです。
YUIの曲はほとんど歌えると思います。中でも一番好きなのは『It’s happy line』です。
YUIとしての活動は終わってしまいましたが、バンド、FLOWER FLOWERとして音楽を続けている姿をテレビで見ると今でも嬉しくなります。
2.Aqua Timez『決意の朝に』
映画『ブレイブ・ストーリー』の主題歌でもあるこの曲の歌詞がとても好きです。人間の弱さや脆さを嘆くのではなく、それを受け入れて生きていく物語の主人公の姿と歌がとてもマッチしていて私に勇気を与えてくれる一曲です。
3.supercell『Today Is Beautiful Day』
中学生の時、兄から影響を受けて見ていたアニメの主題歌によくsupercellの曲が使われていました。当時学校でも流行っていて給食の時間にsupercellの曲が流れていました。今でもたまに聴くと当時のことを懐かしく思います。
4.EGOIST『GREATEST HITS 2011-2017 “ALTEREGO”』
EGOISTもアニメで知りました。ボーカルの儚い歌声がとても好きです。『Ghost of a smile』が一番のお気に入りです。ピアノとボーカルの歌声だけというシンプルな構成で、彼女の声の良さがとても表されている一曲だと思います。
5.チャットモンチー『生命力』
高校生の頃、軽音部の先輩がコピーしていた『世界が終わる夜に』を聴いたのがきっかけで好きになりました。この曲はライブの弾き語りでもカバーさせていただきました。まだ高校生だった時の自分が抱えていたモヤモヤした感情を音楽としてカタチにしてくれたような一曲です。『橙』という曲もおすすめです。
6.Galileo Galilei『車輪の軸』
Galileo Galileiは好きな曲がたくさんあるのでいっぱい曲が入っているベストアルバムを選ばせていただきました。歌詞の雰囲気がとても好きで、心地良い音と優しい歌声はいつまでもその中に浸っていられたらいいのにと思います。メンバー内に幼馴染がいることに勝手に近しいものを感じています。Galileo Galileiとしての活動は終了してしまいましたが新たに同じメンバーで結成されたBBHF も好きです。
7.シナリオアート『night walking』
高校生の時クラスメイトの女の子が貸してくれたCDを卒業後に返し忘れていることに気づきました。返そうと思い連絡しましたが、彼女はもういらないからと私にくれたのがこの一枚でした。男女のツインボーカルで面白いなと思っていました。『スペイシー』が一番のお気に入りです。
8.Aimer『daydream』
どこか気怠そうな、でも言葉一つ一つに説得力を感じる不思議な歌声がとても好きです。
一番好きな『蝶々結び』はどうしてもピアノ伴奏で歌いたくて、一生懸命練習してライブでやらせていただいたことがあります。
9.羊毛とおはな『はじめまして。+2〜入門編〜』
暇つぶしにふらっと寄った地元のカフェのお姉さんに、シロイソラというバンドをやっているという話をしたら羊毛とおはなの『空が白くてさ』という歌を教えてくれました。自分達以外に空を白いと表す人がいるのだなと親近感持ちました。ボーカルのはなさんは既に亡くなってしまっていると聞いたときは驚きました。アコースティックギターとボーカルの柔らかい歌声はのんびりと一休みしたい時におすすめです。
たなかさん
1.syrup16g『HELL-SEE』
1枚を選ぶのは難しいけれど今の気分で選ぶならこれかな。ジャケットの時点で既に良いです。
2.ART-SCHOOL『MEAN STREET』
憧れの人についてとてもまっすぐ美しく歌うバンドだと思います。このアルバムを聴いていると、この世界の風景全てが誰か一人の美しさのためだけに存在してもよいのだと思えます。
3.スガシカオ『TIME』
CDレンタルしてきてMDに入れて聴いてました。子供の時の私が音楽の面白さを感じた1枚です。
4.BUMP OF CHICKEN『jupiter』
名盤。私が言うまでもないけれど、「天体観測」が有名なだけじゃない名曲揃いの1枚。BUMPが好きだったからこそラジオや雑誌を通してもっとたくさんのバンドを知ることができました。
5.放課後ティータイム『放課後ティータイムII』
可愛いアニソンが好きです。アニメ本編とリンクした内容になっていてエンタメとして最高。
6.9mm Parabellum Bullet『Revolutionary』
たぶん1番たくさんライブに行ってます。「The Revolutionary」が9mmで1番好きな曲。カラオケでも歌おうとするけど難しい…。
7.大森靖子『絶対少女』
音楽で対話するのがこんなに上手な人、なかなか居ないと思ってます。
8.RADWIMPS『RADWIMPS 3 ~無人島に持っていき忘れた一枚~』
小学生、中学生のころに夢中で聴いてました。邦ロック好きになったきっかけ。
9.People In The Box『Frog Queen』
ヌイベにおすすめされて聴き始めたバンドです。各アルバムに好きな曲あるから選ぶの難しいです。このアルバムの「犬猫芝居」が好きです。
ヌイベさん
1.odol『往来するもの』
odolの音楽は、音も言葉も儚いけれど芯がある、寂しげだけれど温かみのある、一言では表せない魅力に溢れています。『往来するもの』は、自分自身と真剣に向き合う人の孤独や焦燥がひしひしと伝わり、今の自分にはとても刺さります。ラストトラック「声」が一番のお気に入りです。
2.odol『YEARS』
odolからもう一枚。『YEARS』は不安と希望が同じくらいのバランスで調合されている気がして、一歩踏み出したいときに聴きます。鬱々とした日々を送っている方の背中を、そっと押してくれるのではないでしょうか。
個人的な目標ですが、いつか対バンしたいです!
3.Nirvana『IN UTERO』
Nirvanaと言えば『NEVERMIND』かもしれませんが、自分は『IN UTERO』の方に心を奪われました。荒々しいサウンドが、曲そのものの魅力を引き出していると思います。
大変おこがましいですが、初めてNirvanaを聴いた時、カート・コバーンと自分は少し似ていると感じました。
4.People In The Box『Tabula Rasa』
People In The Boxはバンドとしての理想です。新譜が出るたび変化があって、それでも軸が変わらないというのは稀有なことです。『Tabula Rasa』は最新アルバムで、おもしろい音楽を探している方に是非聴いてもらいたいです。どうすればこんな音楽を作れるのか、不思議で仕方がないです。
5.雨のパレード『Tokyo』
「東京」と名のつく楽曲はたくさんありますが、その中で一番好きです。東京という街とそこで生きる人々の関係性が、極めてリアルに表現されていると感じました。トラック2「Noctiluca」もおすすめです。
6.Galileo Galilei『PORTAL』
Galileo Galileiは初期から活動終了までに楽曲の変化が大きく、時期によってリスナーが違うかもしれません。自分は『PORTAL』が一番好きで、音は多様で鮮やかなのに、滲み出てくる寂しさが魅力的だと思います。同メンバーで結成されたBBHFもおすすめです。
7.Suchmos『MINT CONDITION』
リードトラック「MINT」を聴いた時、「この曲は一生聴き続けるだろうな」と思いました。アレンジ面ではギターとベースのフレーズが特に好きです。「いいことばかりではないけど、丸ごと受け入れて颯爽と生きていく」という意思が感じられて、心が折れそうなときにいつも支えられています。
8.尾崎豊『十七歳の地図』
小学生の時「僕が僕であるために」を聴いて、尾崎豊さんの存在を知りました。他の曲も聴くようになったのは大学生になってからですが、小学生の時からなぜかずっと心に残っていました。楽曲はきっと今も多くの人を救い続けていて、理屈抜きに素晴らしい人だと思います。
9.andymori『ファンファーレと熱狂』
中学生の時、仲良くしてくれていた友達に教えてもらいました。その友達とはもう連絡もとっていないけれど、andymoriを聴くたびに「元気にしているかな」と思います。夏の夕方に聴くと、もう戻れない当時の記憶が呼び起こされて、胸がぎゅっとなります。お気に入りはトラック8「クレイジークレイマー」です。
ねねさん
1.阿部真央『素。』
音楽を聴いて、初めて感動した1枚。
とても大切なアルバムです。
2.阿部真央『どうしますか、あなたなら』
嫌な事続きで落ち込んでた時期、この曲に救われました。
3.放課後ティータイム『放課後ティータイム』
アニメ「けいおん!」を観てなかったら、今バンドしてないと思います(笑)
4.KAKASHI『愛すべき今日へ』
このアルバムの最後の曲を聴いて、初めてライブハウスで涙が出ました。思い出の曲です。
5.ジャニーズWEST『証拠』
元気出したい時はジャニーズWESTさんの曲を聴きます。(ただのファンです)曲は選べないので、ジャケ写がかっこいい最新のシングルにしました。
6.SCANDAL『会わないつもりの元気でね』
多分初めて買ったCD。MVがカッコよくて、ガールズバンドが組みたい!と思ったきっかけの曲。
7.supercell『僕らのあしあと/告白』
初めてちゃんとバンドを組んで演奏した「カレ」という曲が入ってるシングルです。
8.チロル『あなたにこの声が届くまで』
ドラムってかっこいい、、と改めて思った曲。
ジャンルは違うのかもしれないけれど、憧れのドラマーです。
9.ONE OK ROCK『感情エフェクト』
軽音部で最初に演奏する練習曲が「皆無」でした。今でも聴くと懐かしさを感じます。
【プロフィール】
2017年結成の4人組ガールズバンド。
今まで3枚のシングルをリリース。
2020年9月12日(土)、下北沢LIVEHIOLICにて自主企画「再生とペトリコール vol.2」を開催予定。
【ライブ情報】
日時:2020/09/12(土) OPEN18:30/START19:00 ※盛況のうちに終了
場所:下北沢LIVEHOLIC
チケット:¥2,000(D別)
出演:シロイソラ / くらげ計画 / パルプ・フィクション
※限定40名企画