死紺亭柳竹

※ページ毎に本人の作品をご覧になれます


ナッシング・ゴー・ゴー・ウェスト
~すべての笑いは西へ行く。~

いくらお正月でも人類は死ぬ 戦争で死ぬ スマトラで死ぬ
「なんでもおまんこ」で死ぬ! おモチをノドにつまらせて死ぬ!
いくらお正月でも人類は親にかくれて葬式でSEXする! 正常位よ永遠なれ! 
「向こうから和尚がふたりやってきて コレがホントの和尚が2!」 
どっかーん! またやっちゃった!
前世でモチをノドにつまらせて「来世もまた見てくださいね! んっ あ ぐっぐっ」
リーンカーネーション 再放送 
ダブル・ダライラマ 所謂ひとつのDDL 和尚が2!

拝啓、桂枝雀! あなたがこの世から去りずいぶん経ちますが 
まだまだこの世は 無理解な大衆にあふれ お笑いどころではありません。
桂枝雀! あのつるっぱげのおっさん!
桂枝雀! あの首を吊ったおっさん!
桂枝雀! あのバカで狂ったお笑い原理主義者!
首を吊るのなら 松の木にしなよ 松に鶴とはおめでたい!

そうさ すべての笑いは西へ行く! ナッシング・ゴー・ゴー・ウェスト!
 
HIPHOP気取りでSAY-HO! SAYニンドスハッカッカマーヒジリキホッキョッキョ
がっちゃマン負けるながっちゃマン ワオーッ!
芸能人・お笑い芸人・妖怪人間・喜劇人 「早く人間になりたーいッ!」
まともでないやつ全員集合っ!

島田紳助がグーのゲンコで帰国子女にバッテンチョイスヘキサ「GON!」
吉本の会長がリアルどっきり「オラは死んぢまっただー」
島田紳助にズバッと警告! おまえが並べよ行列のできる法律相談所っ!

忘れちゃイケナイ安倍なつみに盗作疑惑の赤い疑惑
「なっち! アンタはエライ!」
Yes! Everybody サンプリング! エク、エク、エク、エク、エクセレントっ!
ハロプロ・アップフロント・アウタヒア 紅白歌合戦から ようこそなっち 
アンダーグラウンドマスターフラッシュ日本語HIPHOPへ!
草葉の陰で大喜びL.L.Cool.J太郎aka 杉作notジャングル黒べえ
butジャングル角兵衛獅子っ!

オ・レ・は・ハ・タ・ヨ・ウ・ク!「何それ? 流行ってんの?」
ハタ・ヨーク! ギター侍の本名!って説明されてる段階で意味ないぢゃん!
ヒトサマを切ってはべりギター侍を死紺亭パンク侍が切って候、
包経短小すくなきことかな仁トニック!

中島らも! 俺に言わせりゃアル中のアルチュール・ランボー!
らもさんアンタ言ってた「むずかしいのは笑いとホラーや。
いちばん簡単なのは悲劇。
あんなん サイゴに誰を殺すかだけ考えたらええねん」
そう言ってアンタがサイゴにジャコパスみたく死んでいった
明日のウェザーリポートはどうせ今日も自信にみちている
晴れなんだろう 雨なんだろう 石原良純の50:50!

羽賀研二! てめえの人生がネバーエンディングストーリー!
梅宮辰夫 aka よくクルマを盗まれるひと
ニール・キャシディ aka よくクルマを盗むひと
あってもいい 辰ちゃん漬けの出てくる一夜漬けのケルアック「on the road!」

そうだ すべての笑いは西へ行く! ナッシング・ゴー・ゴー・ウェスト!

西川峰子の不動産も川の西へ流れる
西川きよしも選挙があれば 西へ東へ
ブルース・ブラザーズだって西へ行く
ギンズバーグもバロウズも西へ行く
すべてのアウトローはすべてを賭けて西へ行く!

ナッシング・ゴー・ゴー・ウェスト!
そうさ 人生は愛と笑いの夜 言ってしまえば過渡期ナイト!
 あきらめるなんて死ぬまでないから
   やっぱ 人生はスラップスティック!


『人生は愛と笑いの夜だからね。笑いだけでもいけないし、愛だけでもいけない』

3.好きなアーティスト、憧れのアーティストを教えて下さい

死紺亭柳竹:忌野清志郎とかかな。名前の一発目に死を持ってきているのって、忌野さんの影響大きいと思うね。

-忌野清志郎とどれくらい年齢離れているんですか?

死紺亭柳竹:いや、相当離れているでしょ。1951年生まれとかじゃなかったかな。
俺は1973年だから。

-忌野清志郎を見たのは高校生ぐらいの時ですか?

死紺亭柳竹:そうね。見たというより音源を聴いた感じね。ちょうどRCの20周年でさ、「Baby a Go Go」というアルバムを出して休止するんだよね。そこからタイマーズとかが出て、さかのぼる形で聴いていったね。

ちょうどブルーハーツとかたまとか電気グルーヴとかのところで大学に入っちゃうけど、当時テープで聴いていたんだよね。
テープって言うのは売っていたのがテープってこと。電気グルーヴはテープじゃ聴けないけどさ。
あの人たちテクノだからテープだと音がでないんだよね。

-多くのミュージシャンから影響を受けているんですね。

死紺亭柳竹:まあ、ECDとかね。ヒップホップの憧れってあったね。

-日本のヒップホップの創生期にも影響を受けたんですか?

死紺亭柳竹:いとうせいこう、タイニー・パンクスね、近田春夫とかね。

-マイノリティなものに共鳴するみたいな感覚があるのですか?

死紺亭柳竹:80年代に深夜テレビとか見ていると、そういう人たちが出てくるのね。
当時、怪物ランドというコントユニットがあってさ、お笑いスター誕生の10週勝ち抜きをする企画なんだけど、その人たちがやっていたウソップランドがすごい面白くて。すごいシュールな笑いなの。

深夜ならいいよっていうのが、当時はすごい溢れていたというか。後、ビックリハウスっていうサブカルの人の憧れの雑誌があって、それに投稿とかしていたよね。

-どういうものを投稿するのですか?

死紺亭柳竹:お題があって答えるみたいな。
例えば、「いじめてごめん」というコーナーがあって、何をどういじめるかを考えて送るの。
かっぱえびせんのいじめ方とかで、要するに「やめられない、止まらない」とか言って、集団中毒訴訟を起こすとか、そういうのばっかり並んでんのよ。

-だいぶブラックな..。

死紺亭柳竹:当時、別に普通だったよ。時代だね。
今はコンプライアンスとかあるからね。80年代ってそういうのが許された時代っていうかさ。80年代にナゴムレコード*8ってあるじゃん。
90とか00年代になるにつれて必要な価値観はなんだろうって考えたときに、やっぱり「過渡期」だったよね。

-過渡期ナイト創設はいつなんですか?

死紺亭柳竹:2001年3月10日。

-19年ですね。

死紺亭柳竹:そう来年20周年。
今年、死紺亭柳竹ポエトリー生活20周年やって、来年になったら過渡期ナイト20周年だよね。

-常にレーベルだったり創設されたりしているんですね。

死紺亭柳竹:そうだね。気質だね。

-理由とかあるんですか?

死紺亭柳竹:うーん。でも、どうしても、お笑いにはいったと思うんだよね。笑いってさ単純に笑えるだけが笑いじゃなくて悲しみの中にもあったりするじゃん。チャップリンとかそうだけど、ライムライトとか、あそこらへんの作品とか。

-先日、ライムライトを観ました。

死紺亭柳竹:ライムライトとか悲しいじゃん。バスター・キートンと2人でやるやつあるでしょ。
それで最後死んじゃうっていう。ああいうのがチャップリンだよね。生きざまって言うね。生きざまの笑いってあるからね。

-生きざまを詩などで暗い世界に落とし込む表現もあると思うんですけど、お笑いを選択する理由、前向きでありたいなどあるんですか?

死紺亭柳竹:いや、笑いでも後ろ向きの笑いもあるでしょ。
名前で”死”と言っているし、そんなにポジティブじゃない。結局でもお笑いにいくんだよね。そこは業みたいなものだよね。目の前の客が笑っていないと腹が立つんだよね。

-なかなかの業ですね。

死紺亭柳竹:クスリとも笑わないと何事だ、みたいな。
やっぱりここは笑えるかなというところは作るよね。まあ、つくらない時もあるよね。そういう時はアドリブでどうにかする。

-笑いというのは様々な要素が含まれているんですね。

死紺亭柳竹:そうね。人生は愛と笑いの夜だからね。笑いだけでもいけないし、愛だけでもいけない。

-音楽の表現とかはやろうと思ったことはないんですか?

死紺亭柳竹:ないね。まったくないね。
音楽は友達がやるものと思っているから。ゴスペラーズの酒井とギャグシーケンサーというお笑いを一緒にやっていたね。酒井にシーケンサー買わせて、電気グルーヴのカバーをやったわけなんだよね。
酒井が必死こいて本番まで間に合うのかってぐらいのものを作りこんで。耳だけだから、楽譜とかないからさ。

やっぱり、友達にやらせるんだよね。音楽関係のことは。ミュージシャンの友達多いんだけど、自分がやるとはならない。
こないだRubyRoomの通常営業の時、お客さんでDJやっている人が来ていて話していたんだけど、ロックのくくりのライブがあって、オオトリにバンドがいて、その前が詩人だったんだよね。「その詩人が一番ロックだったよ」って。

自分はロックというアティチュードには参加するけど、ロックという形式はやらないね。

『そうね、詩人は存在をかけて再生するんだよね』

4.表現形式に関するこだわりを教えて下さい

死紺亭柳竹:テキストを持って出てきて、それを読むというのが基本姿勢。やっぱり詩人というのは再生機じゃないといけないわけ。蓄音機みたいにさ。
テキストを持っているってことは、覚えられないから持っているわけじゃなくて、書いてあることを読んでいるんですよって示すため。

メテオというラッパーがいてSSWS*9に出たときに、ラップをやっていて途中で詩人スタイルをやるといって、紙で書いた詩を読みだしたのね。暗くて読めなかったらしくて「詩人スタイル意外と難しいな」って(笑)
照明の人もラップ専用でやっているから、途中でスタイル変えられても困るよね。

-詩人は再生する、というのはどういう考え方ですか?

死紺亭柳竹:そうね、詩人は存在をかけて再生するんだよね。
俺が読むのと、大島健夫が読むのはまた違うし、大島健夫のテキストと自分のを順番に読む、大紺亭健竹というリーディングをやったことがあるんだけど、やっぱり俺が読むのと彼が読むのがずいぶん違うんだよね。

-再生というのは、まさに”その人が読んでいるということ”を証明する感覚でしょうか?

死紺亭柳竹:後、憑代という考え方もあるよね。要するに神主さんが祓う時にやるやつあるじゃん。ああいう感じでそこについているというか、スピリットがついているというか。
言霊を再生する感じなのかな。かといって、全然暗記してやっちゃう人もいるけどね。

-詩をやられている中で、転換期、ターニングポイントはありますか?

死紺亭柳竹:最初の頃に松下真己名義の作品を読んでいたのね。
THROUGH THE VOICEっていうJAZZ喫茶映画館*10でやっているイベント、そこに安田という女の子がいてさ、一応、落語とかやっていたから、「芸人で詩人です」みたいな紹介をして、普通に現代詩を読んだのよ。

そしたら、「つまんなかった」って言われて。
なにを..とか思って、それじゃ面白くしてやるよって、ビートコメディのスタイルを作ってさ、次は彼女にウケたのね。「ああ、これでやっていけるな」と思って。

-ビートコメディというのはどういうスタイルですか?

死紺亭柳竹:時事ネタを使い、韻を踏み、あとユーモアを忘れずに。

-そこからはそのスタイルでいったんですね。

死紺亭柳竹:まあ、そうね。俺が現代詩読むというのはすごくレアだよ。

-現代詩は最近、現場で読まれましたか?

死紺亭柳竹:たまに、ブルマンとかでやったりするんだけど、結局オチつくるからね。
テキストに書いていないことを言いたくなるから。やっぱり目の前の人が笑っていないと許せないからね(笑)

俺、ポエトリーするときに笑いとかあると失礼なのかなと思っていた。
そしたら、つまんないとか言われて、なにを…って。

-活動の際にメインで使用されていた場所などあるんですか?

死紺亭柳竹:JAZZ喫茶映画館ね。そこで、Crossing映画館というのがあって、それのメインMCがヤリタミサコさんで、俺がサブMCやって、川江一二三さんが出ていて、要するに東京ポエケット*11の体制ね。

安田が続けられないって話だったんだよね、お父さんが病気かなんかで。そこで自分の詩を読んだり、他人の詩に寸評言うみたいな仕事をやったのね。ヤリタさんがすごい厳しいんだよ。だから、俺がフォローする役みたいな。

-寸評するというのは勇気いりますよね。

死紺亭柳竹:そうね。俺は2002年からの1年だけど、あの1年で鍛えられたというのは結構あるよね。
俺さ、「これは詩じゃない」とかいうやつはおかしいと思うんだよね。
なんでも詩じゃねぇかと思ってさ、それに対抗して過渡期ナイトPD事業部を作ってさ、ポエトリーデペロップメント。

SonyレコードのSD事業部に対抗したんだけどね。だから、何でも発展させていけば詩になるというね。

-逆に「これは詩じゃない」という人はどういう観点でおっしゃているのか気になります。

死紺亭柳竹:そうね。その人の中で定義とか読んできたものとか、あるんじゃない。
和合亮一さんがやっていた「いん・あうと」というサイトがあって、そこに取り上げる会議みたいなのがあるのね。
「poenique」をやっていた、いとうさんって人が俺をそういって、かたくなに出さなかったんだよね。
あいつは詩じゃないって(笑)

会議では和合さんも含めて、死紺亭さんもそろそろと言うんだけど、いとうさんがブロックするのね。

何か知らないけど、ジュテーム北村さんとかは載っているのね。おかしくない(笑)それはおかしいよね。
いとうさんに理由を聞いた時に「死紺亭さんはライブの人だから」って言われてさ。

『一度でも笑わせてくれた人には恩があるというかさ』

5.今後の目標はありますか?

死紺亭柳竹:過渡期ナイトをCDで切りたいね。今まで音源というものに熱心じゃなかったからさ。
やっぱり入口は音源だと思うんだよね。あった方がいいなって。

過渡期ナイトで詩集とかそういうのは作ったことはあるんだけど、音源は手つかずだったから、普通のレーベルに近くなるというかさ。

-音源の中身はコンピレーションアルバムとかですか?

死紺亭柳竹:最終的に切ろうと思っているのは、俺のライブ、ベンズカフェでやったライブと沼谷さんのところでやった「過渡期は続くよ千葉までも」のライブを。ベンズカフェのが10分ぐらいで「過渡期は続くよ千葉までも」が30分ぐらいだから、ちょうどいいぐらいなんだよね。

それを切ろうと思っているよね。ゆくゆくは公社流体力学のCD出したいよね。

-過渡期ナイトとしてどういったスタイルの人を押していきたいなどあるんですか?

死紺亭柳竹:というかさ、公社とかさ、俺が拾わなかったら誰も拾わないじゃん(笑)ま、彼は演劇のコンクールでグランプリ獲ってるから失礼だけど(笑)
だから、自分が好きだけど世の中に認められていないものを世に問うみたいな、それがレーベルをやっている醍醐味だと思うんだよね。

損益分岐点さえ、クリアすれば儲けは別になくてもいいや。損益分岐点は大事よ。過渡期ナイトやっているときも赤字一回もないものね。結構、損得勘定を働かせないようにするのが大事。

-個人としての目標はあるのですか?

死紺亭柳竹:個人としてはもっと認められることかな(笑)
死紺亭ってさ、一回見たら癖になると思うんだよね。

-まず名前が忘れられないですね。

死紺亭柳竹:ツイッターのフォロワーでも結構、俺がつぶやくと必ず”いいね”する人とかいてさ、そういう人がもっと顕在化すればいいなって。

-ツイッターのアイコンはデフォルトのままなんですね。

死紺亭柳竹:俺ね、そういうの苦手なんだよね。スマホもっていないからそもそもガラケーで。
昔のやつは全然使えないから。俺の背中を見てIT業界に入る従弟の方がよっぽどやれると思うよ。

-話が少し変わりますが、死紺亭さんの中で、お笑いというテーマは常にあるんですね。

死紺亭柳竹:そうね。詩人x芸人=喜劇人って言っているから。
喜劇人の碑っていうのが浅草にあるんだよね。川田晴久とかさ、昔のコメディアンの名前があって享年何歳とか書いてあって、浅草いったらそこに必ずお線香そえるのね。一度でも笑わせてくれた人には恩があるというかさ。

-その考え方も、天草の”その日を生きる死生観”にも繋がっているのかなと思いました。

死紺亭柳竹:まあね。瞬間ごとに爆発するっていうかね。

『自分のその日の食い扶持があれば、後はもう..配分』

6.お金についてどう思っていますか?

死紺亭柳竹:良いエピソードがあってさ、SSWSという新宿スポークンワーズ、あれがさ4期に別れていて、1期ごとのチャンピオンに10万円づつ払うのね。グランドチャンピオンで優勝した人には30万円払うという前提でやっているのね。

俺、第4期のチャンピオンなんだけど、スポンサーが見つからなくて30万円のグランドチャンピオンの賞金が20万円になるというアナウンスがあって、その時SSWSに思い入れあったから、もらった賞金を過渡期ナイトからスポンサーだすよといって、そのまま返したのね。それで周囲からものすごい反応があったね。

-渋いですね。

死紺亭柳竹:結構そういう感覚というかさ、金は天下の回りものでさ。
結構カッコいいとか言われたんだけど、自分の中では当たり前のことをしただけ。チャップリンのライムライトに出てくる「ほんの少しの蓄えを」みたいなのあるじゃない。ああいう感覚に近いよね。自分のその日の食い扶持があれば、後はもう..配分。

-(笑)..。日常でそこまでお金について考えることもないんですね。

死紺亭柳竹:今日はお金使ったなぁとか、使っていないとかそういうレベル。
一週間通しての家計簿とか考えるよ。さっきのレーベルの損得勘定じゃないけど、別にマイナスじゃなければいいやみたいな。


*8…ケラリーノ・サンドロヴィッチが主宰する日本のインディーズレーベル。
*9…「シンジュク・スポークンワーズ・スラム」の略、新宿MARZで開催されていた声と言葉のバトルトーナメント。
*10…都営三田線の白山駅近くにあるディープな喫茶店。
*11…1999年から開催されている詩誌や詩集の販売・朗読・交流のイベント。


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