第5話

スペシャル対談

『寺田心×古市憲寿』

クラフトボスレモンティー『スペシャル対談』篇

3分23秒 寺田心 古市憲寿 サントリー

 Youtubeの広告で流れてきたのをきっかけに知ったのだが、この見たかったようで見たくなかった組み合わせの妙に思わず唸った。

 BOOKOFFのCMなどでもう世間が見たい心くんの子役タレントとしての闇要素は出尽くしたと思っていたが、古市をぶつけることで「本音」の概念を海へ放り投げるときたもんだ。どっちが言い勝つところも言い負けるところも見たいし、どんな展開でも最終的に一発逆転が可能な二人が故にワクワクが止まらない。あとなんか配色が星野源の恋のPVじみてるのも気になる。

【キャスティングの謎】

 よくある「女子ってこわーい」みたいな感じで、「子役タレントってこわーい」「社会学者ってこわーい」と言わせんとばかりのキャスティング。だが対談としてこの二人を起用するのは少し謎だ。

 そもそもな話が古市は対談という形式に慣れている。対談士として駆り出されやすい。一方、心くんは、対談という時点で話す内容に関わらず「言わされてる」感が前に出て「本音で話してる」感は薄まる。本来であれば対談相手としてわざわざ選ぶメリットはないタイプのタレントだ。

 しかし癖のあるタレント二人とテンプレートチックなBGMを、三者三様に空振りさせることで、商品プロモーションとして成立してない対談が破綻しない形で実現する。フルスイングで空振りすることで持ち堪えるのだ。

 さらに成立してない割に楽しみ方がとても明白だ。鋭い社会学者を前に、天才子役が子供の武器を封じられた構図でのプロレス。表情一つをとっても一進一退の攻防を繰り広げる。感情とは別に引きつった様な表情をする癖のある古市と、出そうで出ない心くんの伝家の宝刀キョトン顔。どこをスクショしてもLINEスタンプとして使える表情の応酬だ。

【鼻につく×鼻につく=意表をつく展開】

 ちなみに気になる動画の顛末は、心くんが「レモい」について親切に説明しようとするも、あと一歩のところで対談相手の古市に届かない歯痒さをよそに、当の古市は助け舟を全く出さずに大人の世界の厳しさを教えて動画は終了する。

あのパワープレイの名手である心くんが最終的に呆れ折れるのだ。こんな心さんの負け姿を見たかったわけではないし、かといってここから社会学者を言い負かす心さんも見たい訳でもないし…。結局何を期待してこの広告動画を見たのか分からなくなる。不思議な広告だ、レモい。

【記録係】
伊藤晋毅


『観察庁24時』

第4話:『組分け帽子ごっこ』
第6話:『似てる人の発見』