タイトル:宗教
※本人の楽曲を聞きながらインタビューを読めます
『ラジオ的なものをずっと聞いていたんで、夜の楽しみはそれでした』
9.子供の頃のエピソード
グッナイ小形:本当に自分で何かしたくて、めちゃくちゃやったんですよ、色々。新聞を作って全校生徒に配ったりとか。「小形郵便」とかやって、各学年の教室に箱を作っておいて、そこに出してもらって昼休みにそれをとって「何年何組だれだれ」とか書いたやつを配りにいったりとか。
悪口が多くておわりになっちゃった。
もっと、ロマンチックなものと思っていた。ラブレター代行的な。そういうことはめちゃくちゃやりましたね。よくある秘密基地づくりみたいな。中3ぐらいまで秘密基地作っていたみたいな。
-常に企画して何かやってらっしゃてるんですね。
グッナイ小形:そうですね。常に企画して、みたいなのはずっとありますね。中2まで網走にいた。北海道の網走で、森と山しかないんですが、流氷みたいなの来るんですよ、ロシアの方から。氷一面で、氷はがしたら、クリオネがいてそれを捕まえていた。外でなんか発散したくてうずうずしていた。
中3の時に札幌に転校して、同じ世代だからわかると思うんですけど、腰パンが流行ったりとか、夏服の学ランの中に何も着ないで、第2ボタンくらいまであけて、派手なベルトをしていて。でも、田舎で流行っていたのって、白い夏服の中にどれだけ派手な色のシャツを着ていくかみたいな。そういう田舎のヤツがピンクとか着てって、えっ、向こうのヤンキー何も着てないじゃんみたいな。
そこからいじめられて、ちょっと方向転換して、俺はもうヤンキーは無理だと思って、めちゃくちゃ勉強して、高校に入った。
吹奏楽部に入って、トランペット吹いて、バリバリにモテて。でも、部活が全然、初心者で入って、高校が強豪校だったんで、対外的にはめちゃくちゃモテて、女の子とカラオケ行ったりとか、それに対してみんなめっちゃ練習して、一年ぐらいで部活を干されて、「何も練習しないじゃないか」と。
何かうまくいくときに、もう一個やんなきゃいけないことを放棄して。今度はこっちで。何かそういう一個のことしかできない。
-プラスマイナスゼロの感じですね。
グッナイ小形:ずっと、プラマイゼロですね。そういう感じの子どもでしたね。
ラジオ的なものをずっと聞いていたんで、夜の楽しみはそれでした。割とローカルの番組を聞いていて。STVラジオ(AMラジオ、ニッポン放送系列)北海道の札幌テレビでそこのラジオで、AMラジオ。
FMはちょっとね。なんか、すごい上品であんまりはまらなくてずっとAM聞いて、だいたい寝る時間くらいになったら、ナイターが終わる時間なんですよ。北海道に日本ハムが来る前で、みんな北海道って巨人だったんですよ。だから、巨人とSTVラジオと。そこで野球も覚えましたし、ずっと聞きながら。ナイターで遅れたりして、音楽番組が始まったりとかして、それがニッポン放送系列で、そこから夜までずっと聞いて、オールナイトニッポンとか。そのチャンネルばっかでしたね。
深夜ラジオって名前も覚えていないんですけど、どローカルの。それが心のよりどころだった。小学校高学年から中学校とかは。
うちに娯楽がなくて、ゲームもなかった、厳しい親だったんで。「早く寝なさい」って、中2ぐらいまで8時ぐらいとかに寝ていた。テレビとかも見せてもらえなかった。その時、「学校へ行こう」と「笑う犬の冒険」とか「ワンピース」とか、まったく見れなくて、話題にも全く入れない。
こないだ始めてみましたね。むちゃくちゃはまって、YouTubeで。
そこらへんもあるんすよ。そういうテレビもすごいよかった時代で。むちゃくちゃよかった時代に、やっぱりそういう話に入れなくて、ずっと、学校行ったらみんなそういう話しているから、入りたいけど入れないみたいな。そういうのが、コンプレックスみたいなやつにちょっと繋がりますね。
『寂しくなく生きたい、寂しい人と一緒に生きたい』
10.今生きているこの人生に関するこだわりや、どんな人生にしていきたいという思いはありますか
-どういう人生を歩み、最後を迎えたいでしょうか?
グッナイ小形:こうね、なんというか、優しい感じですね。
傷つけることもなく、できるだけ、どっちもあっての話。
みんなを認めていけるような人間になりたい。
僕も本当に約束も守れないし。誰かに何かを求めてしまっていいの?みたいな、こんな私が。そういう意味ではこだわりはあまりないのかも。さっき言った通り、なんか気持ちを持っている人が、気持ちよく生きれる環境を周りに創る、そういう場所を作る。それが大学生の時、カフェという場所だった。それが今音楽。それをずっと続けていって、できるだけ協力してくれる人と長く続けたいんですが、大体みんな離れていきますね。
ハマってもいいんだよ。なんとかなるよ。いいんだよ、国民年金なんか払わなくて。
頭空っぽなんで。かぶりますけど、やっぱり居場所になりたいって。言ったら、居場所が欲しいんですけど、自分がそう求めている。
今もどっか寂しいんでしょうね。ずっと、変わっていないですね。ある程度、自分が歌をやって、ライブ出させてもらったりとか、そういうところがあるから、そういう人に向けて今度は、みたいなことで思っちゃう。それは自分がそういう場所に行きたかったり、自分のためにそういう場所を作りたかったりとか、そこが根源なのかもしれない。
寂しがりで、マジで、「これからコンビニに行くから、誰か付き合って」とか、めっちゃLINEしたりする。ずっととにかく誰かといたいみたいな。一人でいると張り裂けそうになる、考えてしまうから。そういう状態になっちゃうんで、それはもうできるだけ誰かといたい。だいたいそういう人って僕に飽き飽きして離れていっちゃう、離れていきはしないけど、家の電気、ガス、水道が全部止まったときに、友達の家に居候していたらどんどん甘えちゃって、追い出されちゃった。そういうことになっちゃうので。
寂しくなく生きたい、寂しい人と一緒に生きたい。
11.あなたを構成する9つの作品を教えて下さい
※左上より順にコメントをいただいています
・MONGOL800『MESSAGE』
音楽を音楽と認識しはじめた僕の青春です。
・システム、オール、グリーン『うたさえ無い』
東京でずっとこれからも「一番」好きであろう仲間です。
・井上陽水『ハンサムボーイ』
最後のニュースという曲が一番好きです、日本語の尊さを知った1枚です。
・友部正人『にんじん』
フォークとは何かを定義づけてくれた、僕の中の永遠です。
・Hamilton Leithauser『I had a dream that you were mine』
洋楽ってこんなにカッコいいんだ、と気づかせてくれた名盤です。
・森山直太朗『諸君!!』
辛いときも嬉しいときも、青春とともに歩んできた友達のような1枚です。
・MONO NO AWARE『人生 山折り、谷折り』
こんなバンドがいるのか!と衝撃を受けた一枚です。大好き。
・the middle east『the Recordings of the middle east』
Bloodという名曲。奇跡のような美しさに溢れる1枚です。
・カネコアヤノ『祝祭』
全てに嫉妬する、美しいポップスを教えてくれた1枚です。
【アーティスト情報】
【プロフィール】
1991年 北海道生まれ
2016年頃から音楽活動を開始。
2017年、上京。
自主制作アルバム2枚の発表。
2019年 カフェオレーベルよりインディーズ1stアルバム「正気です。」全国発売。