シロイソラ

「新しい価値を生み出せるんじゃないかってことを信じてる」
4人で描く、シロイソラの景色(前編)

左から、ボーカル&ギター・古屋ひかりさん、ベース・縫部たまきさん、キーボード・田中琴音さん、ドラム・近藤宇音さん

タイトル:グレー

※本人の楽曲を聴きながらインタビューを読めます

「ポップじゃないガールズバンド」というキャッチフレーズを掲げ、都内を中心に活動するバンド、シロイソラ。
普段から仲の良い4人組がステージに立ったときのオーラは凄まじいものがあり、静かに心を刺してくる洗練された楽曲が注目を集めています。

シロイソラを愛聴するリスナーが一度は思うこと、それは「この音楽は一体何をルーツにして、どこから生まれてくるのか?」
その謎を解き明かすため、今回2時間を超えるロングインタビューを敢行。

前編では、それぞれ音楽を始めたきっかけや、4人がどのように出会ってシロイソラを結成するに至ったか、そして楽曲制作や活動のスタンス、影響を受けたアーティストについて聞きました。

「このメンバーじゃなかったら音楽できないなと思っていて」

<インタビュー>

1.なぜ音楽をやっているのですか?

縫部たまき(以下、ヌイベ):この順番でいこうよ(笑)

(手前から、ひかりさん、たなかさん、ねねさん、ヌイベさんの着席順でお話ししていただくことに)

古屋ひかり(以下、ひかり):じゃあ自分から…。自分はたぶん、このメンバーじゃなかったら音楽できないなと思っていて。
人って、何かを信じて生きてると思うんですけど、宗教でも何でも、宇宙人でもいいんですけど、その中の一つで、それがたまちゃん(ヌイベさん)が作る音楽で。

ヌイベ:えっ!

ひかり:それが自分の信じてることで、それが、なんだろうな…世の中に新しい価値を生み出せるんじゃないかってことを信じてるからやっていけるのかなって思っています。

ヌイベ:すごい、教祖じゃん(笑)

田中琴音(以下、たなか):ヌイベのリアクションが面白い(笑)

ヌイベ:でも嬉しい。

たなか:私もヌイベの音楽が好きで、あんまり、音楽をやることにすごくこだわりがあるかっていうとたぶん無くて…「辞めろ」って言われるまでは近くにいたいなっていう、そういう感じですね(笑)
たぶん、別にシロイソラにいなかったらいなかったで、ヌイベが音楽をやってるとしたらそれを聴いてると思うし。
でも一緒にバンドをやれば一番先にデモ音源を聴けるし、アレンジも一緒に考えるし、「こういう曲欲しい」って言えるじゃないですか(笑)
「ま、バンドにいれるうちはいとこう」みたいな。
単純に楽しいっていうのも、もちろんあるけど、一番根本のモチベーションはそれです。
私、前はベースをやってたんですよ。で、ヌイベもベーシストじゃないですか。
でも、ヌイベとバンド組めるんだったらパートは何でも良かったです(笑)

ヌイベ:申し訳…(笑)

たなか:全然そんなことない!(笑)いろんな楽器をやりたいタイプなので、全然良かったんですけど。
なんか、ヌイベを褒める会になっちゃうね(笑)

ひかり:全員のコメントがそうなるよ(笑)

近藤宇音(以下、ねね):私も、被るけど、メンバーのみんなが好きだからバンドをやってるっていう感じで。
最初は、ひーちゃん(ひかりさん)とバンドが組めればそれでいいと思ってました。

自分も一番最初はギターを弾いてたんですけど、高校に入ったらドラマーがいなくて、それだとバンドが組めないからドラムを始めました。形はどうであれ、ひーちゃんと組めればいいっていう感じで。
そしたら、このバンドにひーちゃんが誘ってくれて。
入ったら、みんな良い人すぎて、すごく好きになって。今となっては別に音楽じゃなくても一緒に何かやれればいいっていう状態ですね。

それと、もう一つあって、どうしてそこまで思ったかっていうと、確かたまちゃんだったと思うんですけど、「ネガティブな気持ちを受け入れる」っていうことを言ってたんですね。
自分は結構ポジティブな方で、めっちゃたぶんポジティブなんだけど、だからこそ、たまにネガティブなことが出てきちゃうと、めっちゃ落ち込んじゃうタイプで。
そのたまちゃんの言葉を聞いたときに、「この人すごくポジティブだ!」って思って。
「一生ついていきたいな」って思ったんですよね。

ヌイベ:自分は、用意してた答えは、「単純に音楽が面白いから」(笑)
楽しくないことはできないので。一番は面白いから、楽しいからっていうのがあって。

でも、今みんなの話を聞いてて、なんだろ、楽しいって思えるのはやっぱりこのメンバーだからかなって思いました。
自分がスタジオ練習のときも結構意見をいろいろ言うんですけど、そういうのも、変に卑屈になったり、「くそー」みたいに…思ってるかもしれないけど(笑)、すごくちゃんと聞いてくれて、一緒に音楽を作り上げてくれるっていうその姿勢が伝わってきますね。

たなか:逆に、ヌイベの音楽に対する姿勢がすごいから、ヌイベの持ってる曲のイメージに近づきたくて、努力しようって思う。

ヌイベ:やっぱりこのメンバーだから、楽しく続けられるんだろうなっていうのは、今すごく感じます。
あと、みんなよりは音楽にこだわってる(笑)

一同笑

ヌイベ:親が音楽好きで、ちっちゃい頃からずーっと、よく分からない音楽が家に流れていて(笑)
日本で普通に流行ってた曲もだし、このお店(インタビューを行ったエスニック料理店)のBGMみたいなアジアンな曲も…「どこの国の音楽!?」っていうのもありましたね。
とにかくいろんな音楽がずっと流れていて。だから、「一番身近な存在」っていうので、音楽をやっています。

「教則本とかもないから、ひたすら曲を聴いて、『この曲のコードはこれかな?』って」

2.音楽、創作、表現活動を始めるきっかけについて教えて下さい

ひかり:自分は習い事を結構やっていて、習字とサッカーとピアノをやってました。
サッカーはすぐ辞めちゃって、ピアノは中学校に上がって、部活が始まったタイミングで辞めて。
書道は大学2年まで続いてたんですけど。
ピアノは、好きな友達がいたので、その子に会いに行きたいからというので習ってて、あんまり真面目に取り組んでなくて。
楽譜が読めるくらいで終わっちゃったんですけど。
それで、音楽を始めるきっかけは、テレビでYUIさんが出てるのを見て。すごく憧れたんですよ、その姿に。
単純に「かっこいい!」って思っちゃって。それでずっと音楽をやりたいって思ってて、親に「ギターが欲しい」ってせがんだときに買ってくれて。
そのとき小学生くらいだったんですけど。

-早かったんですね。

ひかり:そのときはあんまり弾いてなかったんですけどね。

それと、ねねと小学校が一緒だったんですけど、そのとき一緒に遊んでて、誘われるんですけど、遊びが鬼ごっことか、雲梯とかそういうのばっかりで、断ってたんですよ(笑)
誘われて、3回に1回くらいは遊んであげるみたいな(笑)

その当時、「けいおん!」っていうアニメが流行っていて。自分は兄がアニメが好きだったので見たことがあるくらいで、そんなに深くは知らなかったんですけど。「けいおん!」の話になったときに、お互いに「バンドやってみたいね」みたいになって、2人で遊びがてらギターを弾いてて。そのとき他にも何人かいて。5人くらいいたっけ?

たなか:バンド組めるくらいの人数だね。

ねね:そう、バンド組んで。

ひかり:「けいおん!」の曲のコピーをひたすらやるっていうのが、きっかけでしたね。

-小学生のときだったんですか?

ひかり:小学校5,6年生のときでしたね。ねねの家に楽器が揃ってたんだよね。

ねね:ドラムがね。

ひかり:おもちゃの、幼稚園児用みたいなドラムだったよね。

たなか:それでやるのも楽しそうだね。

ねね:たぶんまだ家に置いてある。

ひかり:へぇー。

ヌイベ:見たい。

たなか:見てみたいね。かわいいドラム。

ひかり:その後、中学に上がったタイミングで1回辞めて。中学にはバンドができる部活がなくて諦めて、運動をやってたのでバスケ部に入って。

高校でバンドをやろうってそのときから決意してて、ねねとまた高校で一緒になったんですよ。
それで、高校の軽音部に入って、ねねは小学生のときギターをやってたんですけど、「一緒にバンド組めるなら」っていうことでドラムを始めてくれて。

たまちゃんは歳が2こ違いで、高校入ったときに音楽やってるっていうのは知ってたんですけど。

中学時代のひかりさんとねねさん

ヌイベ:ずっと、小学校のときから1人でギターを弾いてて。

ひかり:あっ、そうだ。

ヌイベ:ひーちゃんより先にやってた、実は(笑)

ひかり:一緒にバンドを組みたいとは言ってたんですけど、あんまり時間とかタイミングが合わなくて。
で、大学に入ってやっとバンドを組みましたね。

たなか:私も小学校入ったときくらいからピアノをやってて。あと、その前にヤマハの、子供が通う音楽教室あるじゃないですか?
最初ああいうのも行ってたけど辞めて、その後ピアノを習ってました。
音楽はずっと好きで、でもやっぱり習い事って普通に嫌になるときあるじゃないですか(笑)「ピアノ練習したくないな」とか。
でも音楽自体は好きで、中学でも合唱部に入ってたんですよ。
運動が苦手だったので、部活やるなら音楽かなって。

バンドは、小学校のときの友達が、お兄ちゃんとお姉ちゃんの影響でRADWIMPSとかBUMP OF CHICKENを聴いてて。
小学4,5年のときにそれを教えてくれて、「こういう音楽があるんだ!」って知って。

それで、そういうバンドの音楽を聴くようになって。それがきっかけでラジオとか、それこそ「SCHOOL OF LOCK!」とかにもゲストでバンドが出るじゃないですか。そういうのも聴いて。それが、バンドに興味を持つきっかけですね。

中学のときはバンドをやる機会がなかったんですけど、高校には軽音部があったので入部して。

うちも親が昔バンドをやってて、ライブに行ったりとか、バンドの音楽を聴いたりとかは家族みんなでしてて。
家族3人でライブに行ったりとかするんで。ねねちゃんちもそうだと思うけど。
そういう影響もあって、音楽もよく聴くし、私がバンドをやってることも積極的に応援してくれるし。良い環境はあったなと思います。

楽器は、ベースはなんか普通に格好良いなと思って、高校入って軽音部に入って、家に父親のベースがあったので最初はそれを弾かせてもらったりして。
入部して割とすぐくらいに買ってもらって、あと歌うのもずっと好きだったので歌でも別のバンドを組んでて、高校では歌とベースでそれぞれコピーバンドをやってたんですけど。

シロイソラは、私がピアノやってたのをヌイベも知ってたので、「ピアノの音が欲しいかな」っていうので誘われて、キーボードはそのとき始めたし。
最初はねねちゃんからずっとキーボードを借りてて、その後自分のをやっと買って。だから、キーボードは、私の音楽歴の中では割と最近です。

ねね:私はひーちゃんと同じ部分もあるので、じゃあそこは省きますね。

私は完全にアニメの「けいおん!」から入って、家にギターとか楽器があったのでギターやって、私もギターがすごく楽しくて、バンドやりたいなと思ってたら、ひーちゃんが「けいおん!」の話をしてるのを小耳に挟んで(笑)
そのとき、ひーちゃんにすごい「遊ぼう遊ぼう」って言ってて、でも全然来てくれなくて(笑)
「もうここしかない!」って、この「けいおん!」のつながりで仲良くなるしかないって思って、「けいおん!」の話をしたらめっちゃ食いついてくれて(笑)それでバンドをやってました。
でも、あのときやってなかったら、今一緒にやってなかったと思う。

ヌイベ:「けいおん!」のおかげだったんだ。

ひかり:それまで逃げてたからね。「今日は無理!」って(笑)

たなか:ねねちゃんは、ひーちゃんとずっと仲良くなりたいと思ってたの?

ねね:一方通行で(笑)

ひかり:たまに違う友達とかよこしてくるから(笑)

たなか:相当熱意があったんだね(笑)

ひかり:違う友達に誘われて、それで行ってみたらねねもいて(笑)

ねね:なんだろうね、めっちゃ不思議だよね。

ひかり:日によって違う子が誘ってきて、でも全部ねねのおつかいだったっていう(笑)

たなか:おつかい(笑) すごいね。

ねね:別に嫌われてたわけじゃないよね?

ひかり:そう、別に嫌ってたんじゃなくて。

ねね:それは感じてた。

ひかり:走るのとか運動が苦手で、鬼ごっことか絶対に勝てないんですよ。それが悔しくて。ゲームがしたかった(笑)
そういう遊びならやりたいなってずっと思ってた。

ねね:そうだったんだ(笑)

ヌイベ:自分は最初は、小3か小4のときにアコギを弾きたいと思って。初心者用のアコギを親に買ってもらって。
自分の場合は家に籠もって1人で黙々と弾くっていう感じで。
最初は知ってる曲とかを完璧に再現するっていうところに楽しさを見出してましたね。
音楽として楽しむっていうよりは、遊びというかゲームみたいな感覚でした。

バンドの音楽を聴くようになったのは中学に入ってからで、自分も友達にRADWIMPSとか流行ってるバンドを教えてもらって、「こんな面白い音楽があるんだな」って思ってバンドをいろいろ聴き漁るようになって。

中学のときからバンドで何か楽器をやりたいなっていうのは思ってたんですよ。
でも、軽音部が中学になくて、一緒に楽器をやる友達もいないので、中学までは運動ばかりやってました。
自分もサッカーとバスケをやってて。

ねね:そうなんだ。

ひかり:そうなの。

ヌイベ:自分も小学校の6年間サッカーやってて。ひーちゃんと同じところで。

ひかり:習字も一緒でした。

ヌイベ:でも自分が先だから(笑)

たなか:謎に張り合うね(笑)

ひかり:兄弟が友達だったんですよ。

ヌイベ:ひーちゃんのお兄ちゃんと自分が同い年で。

ひかり:それについて行くっていう。

ヌイベ:それでなんだっけ(笑) そう、バンドやりたいって思ってて、中学3年くらいのときにもうベースは買ってもらってて。
それもまた1人で黙々と弾いてて、超つまんなかった(笑)

たなか:ヌイベ、高校の軽音部に入るときにもう持ってきてたもんね。

ヌイベ:そう、「もうベースあります!」って。

たなか:ベーシスト2人組でした、そういえば。

ヌイベ:高校でたなかと同じ軽音部に入って。最初はやっぱり普通に流行っている曲とかのコピーをしてて、それはそれでやっぱり「再現する」っていう意味で楽しかったんですけど、だんだん飽きてくるっていうか、もっと自由に好きなようにやってみたいなって思うようになって。

それで、高校のいつからだったか忘れちゃったんですけど、だんだん自分でも曲を作るようになって。
このメンバーでちゃんと曲を作って発表するっていう、ちゃんとしたバンド活動は大学に入ってからでしたね。

高校時代のたなかさんとヌイベさん

-ちなみに、小学生でアコギを弾いてたときは、どういう曲を弾いてたんですか?

ヌイベ:YUIさんとかも弾いてたし、UVERworldも弾いてました。教則本とかもないから、ひたすら曲を聴いて、「この曲のコードはこれかな?」っていうのをそのときからやってました。

-えっ!すごいですね!

たなか:それは耳良いわけだ。

ひかり:私、YouTubeを見て指の押さえ方を真似してた。

ヌイベ:なるほど!その手段は思いつかなかった(笑)