尾崎友直


※本人の楽曲を視聴しながらインタビューを読めます

『しかもその模様が飛んでくるわけじゃない。自分で移動する模様みたいな感じで』

3.好きなアーティスト、憧れのアーティストを教えてください

尾崎友直:ううん、もうちょっと狭く聞いてくれた方が答えやすいかも。本当にすごいなって思うものは何かってこと?

笹谷創:-はい、音楽をする人は誰かに憧れてとかあると思うんですが。

尾崎友直:なんか、昨日かな、一昨日かな。自分のマンションのベルあるじゃない。ベルに蝶みたいなのが止まっていた。入口だからすごい目立つじゃない、で、止まってて、最初びっくりしたんだけど、見ると模様がすごい綺麗で、笹谷さん写真撮るでしょ。蝶とか撮ったことあります?

笹谷創:-葉っぱとかは撮ります。

尾崎友直:結構、曲線とかきれいじゃないですか。どういう風に思ったことあります。純粋に。

笹谷創:-設計されている、ということですか?なんというか、圧倒的な感じはありますよね。

尾崎友直:僕もほぼ同じ。家の玄関で、しかもその模様が飛んでくるわけじゃない。自分で移動する模様みたいな感じで(笑) 飛んできているし、やっぱりそういうのは、結構すごいなって思うけどね。

笹谷創:-なんだか質問が野暮になってきましたね…。

尾崎友直:いやいや、そういう話じゃない方がいいのかな。

笹谷創:-いえいえ、それぐらいの方が。言ってしまうと、憧れのアーティストも、そういうところに行きつくってことですよね。

尾崎友直:あっ、でも、今、話しているじゃない。すごい難しかったりすることを、自分が尊敬するのは難しいことをすごい簡単な言葉でわかりやすく言える人っているじゃない。それは本気で、本気で尊敬する。自分はやっぱり下手だから。

笹谷創:-どちらかというと、僕も下手なのでわかります。

尾崎友直:そういう人すごいなって思う。

笹谷創:-なんで、そうできるんだろうっていう。

尾崎友直:相手の気持ち、練習とかもあるけど、相手に向かって話す、のかな。
そういう風になりたいというのは日々思うね。

笹谷創:-述べ伝える時にもそういうのすごい必要ですよね。

尾崎友直:そうだよね。

笹谷創:-創作とか、作品とかだとそのままをぶつけて、それが面白かったりもしますけど、単純に伝えるという行為に関しては上手い方がいいですよね。

尾崎友直:そうだよね。

笹谷創:-ちなみに作品の時はわかりやすく咀嚼するとかそのまま伝えるとか、そういう意識はあるんですか?

尾崎友直:えっ、どの時期の作品?中学校でラジカセ二台に囲まれていた時のもあるし、最近のもあるし。

笹谷創:-中学生の時とかは…、そんなことを考えている人もなかなかいないと思いますが(笑)

尾崎友直:もうかわいいよね。なんか、自分は、どこか劣等感みたいなのがあった気がする。ちょっと、恥ずかしい話だけど、自信がないというかさ、その時とか。でも、その時は夢中になって作っていたかなぁ。

笹谷創:-劣等感というのは集団生活の中で形成されたんですか?

尾崎友直:えっとね、喘息だった。幼少の時。多分、それが大きい。最初の小1、小2とかってみんなて自由にぱぁーって走って、サッカー、野球ってなるじゃない。走ると、発作が起きるみたいな連想があったから、そっちいかなくて、そういう人ってたいてい絵とか本とか音楽にいくんだよね。

僕も、そのままそうなった(笑)
でも、その流れもあって、聖書は僕には入りやすかった。
本当にわっーってできなかったから、本を読んでたんだよね。相当読んでたよ。

笹谷創:-小学生の頃からですか?

尾崎友直:本気で好きになったのは中高からだけど、なんか母が母方の家系って先生が多くて、母は国語の先生だったんだけど、母は万葉集とか新古今和歌集とか、そういう和寄り?和寄りが好きなのよ。若い時ってそういうの嫌だったんだよね。

だから、新潮文庫の西洋文学にいったんだよね。気持ちわかるでしょ。親がそんな万葉集とか言われても、なんか、アメリカの方がかっこいいと思うんだよね。でも、読むと、アンドレジットの『狭き門』とか、中学生の時、読んで、恋愛とかもしたことない子供にしてみればさ、そういうの読んだりもするじゃない。

アリサっていう女性がジェロームという男性に熱烈に求愛されている、というか好かれているのね。で、読んでいる当時の少年の僕からしたら、「なんで、応えればいいのに」と思うじゃない。でも、アリサが神への愛ゆえに拒み続けるんだよね。でも、意味が分かんないじゃない。同時進行で聖書も学んでいたから、こういうことかというのが分かると、より面白く感じたというか。

後、英語とかも学校で習うじゃない。何かの時に、確か英語の試験だったと思うんだけど…、読解のだと思うんだけど、ライ麦の一場面が出たんだよね。「あっ、これライ麦だ」ってそういうのって嬉しいじゃない。

で、なんか、あのホールデンという主人公が、今思うと危険なにおいのする本だから読まない方がいいかなと思うけど、もう言っちゃたから、話すけど、ホールデンがイエスについて言及する箇所があるんだよね。悪霊が豚に入って崖から落ちるときの話とかホールデンがするんだけど、「あっと、聖書の話が出てきた」と思って、また聖書を読んだりとか。自分にとってスッて入っていった。

笹谷創:-西洋の文学ってそれ(キリスト教)が前提としてある感じしますよね。

尾崎友直:そうだね、うーん。それは、喘息の流れだね(笑)

笹谷創:–最近の詩とか創作する時とかは、どういう意識で作ってらっしゃるのでしょうか?

尾崎友直:最近の?例えばどの曲?

笹谷創:-曲単位なんですね。

尾崎友直:そうだよね。結構やっぱり、中学生の時からやっているから、時期によってすごい変わるから、言っていることとかも。

笹谷創:–詩のスタイルでいくつかアルバムを発売されていると思うんですけど、それぞれコンセプトとかあったりするのですか?

尾崎友直:アルバムコンセプトで考えることはほぼなくて、一個一個作って、一個できたら次を作ったり、同時進行で作っていくんだけど、でも、まとまったら出そうみたいなのは心のどこかで考えているじゃない。だから、なんとなくは考えるかもしれないね。でも、昔のアルバムみたいにトータルじゃないね。結構。ばらばら、ばらばらかな。

笹谷創:-僕が聞いた印象、基本的に難解な言葉を使っているわけではないけど、その感性と言いますか、自分には書けない、友直さんだなあと感じます。

情景的というか…、でも、なんとなく技巧的なところもあるなあと、韻の踏み方とかだったり、技巧も織り交ざっているという印象がします。感性のみでガッーと書かれたという感じではなさそうです。先ほどお話された毎日の日課として作っているという部分にも繋がるのかなあと思います。

尾崎友直:そうだね、意外にがっと盛り上がって書くというタイプではないかも。

笹谷創:-手法として具体的な名詞が多い気がします、具体的な出来事だったり。「クールミントの粉に銀紙」とか。すごいなと。

尾崎友直:あった、あった。褒めないで(笑)

笹谷創:-「『銀紙』という言葉が、そんな言葉がリリックに出てくるんや」という驚きがありました。創作方法は黙秘な感じなんですか?

尾崎友直:黙秘、黙秘じゃないよ(笑)

笹谷創:-とにかく、規則的に作るというのがひとつの方法だったんですね。

尾崎友直:そうだね。今はもう辞めちゃったけどね。

笹谷創:-今はもう全く作ってないってことですか?

尾崎友直:人前でそういう告知して、「尾崎友直」というのは辞めた。だけど、録音物は年に一曲とか出るかもしれないね。限りなく辞めたに近いみたいな感じ(笑)


※10代の頃

『いろいろ調べている、隅々まで調べていた段階だったから。そのことはすごい後悔している』

4.今後の目標について教えてください

笹谷創:-今後の目標というと抽象的なので、今後どう生きようかというのはありますでしょうか

尾崎友直:それは、冒頭の話に繋がるのかもしれないけど、クリスチャンとしての生き方を拡大して…、拡大っていうか、なんというのかな、細々クリスチャンとしてやっていきますというよりは、後で自分の人生を30年後に振り返った時に「ああ、あのころにクリスチャンになって、それなりにクリスチャンとしての生き方…」と振り返るよりかは、ベストを尽くしたやつ、やりきったんだって自分に思えるぐらい、と思ってますね。

笹谷創:-具体的には述べ伝えていくことがメインになるんでしょうか?

尾崎友直:そうね。述べ伝えること、イエスが明確に「人が住む全地に行って述べ伝えよ」と指示しているので、それは主要なクリスチャンのするべきことだけど、イエスがそう言っているからってだけじゃなくてね。そうしたいという気持ちは自然と湧き起こるというか。

後悔していることがあって、たくという友達がいて僕と本当仲良くて、2013年の夏ぐらいには本当に聖書は神の、笹谷さんにも笹谷創という名前があるように、聖書にも神様のお名前がエホバだと書いてあるんだけど、エホバからの書物だと2013年夏には確信したんだよね。そこからはクリスチャンになっていくんだけど、やっぱりクリスチャンになりたいなと思っていくと同時に、ちょっと交わるのを辞めた人たちもいたんだよね。

多くの方が読む可能性があるから、名前も特に挙げないし、たくがそうだったというわけじゃないんだけど、影響受けちゃうじゃない。影響受けちゃうじゃないというのも変だけど。友達というのはやっぱり一番影響受けると思うんだよね。

だから、今まで大好きだった、今も大好きだけど、ちょっとぱたっと会わなくなった人も多くなった。2013年の夏ぐらいにこれは、神の言葉だなと思って、今までは音楽が大好きだなってさ、そういうことしか考えてなかったんだけど、神のご意志に添った生き方をしたいと本当に思った矢先にたくが自殺したんだよね。

それが、すごい後悔でならないというか、自分はもう確信した後に、仲間からだよね。昔から一緒に成長してきた、音楽仲間が多いよね。音楽仲間とか自分の家族とかに伝えだしたんだけど、たくは伝える、僕が伝えだす直前に自殺して、たくの家にその頃は毎週のようにいって、一緒に曲作ったり、笹谷さんも仲間とするかもしれないけど、当時は「こういう作品創ろうぜ」みたいな、熱く語り合ったりとかよくしてたんだけど、たくの家にそういう聖書関連の出版物があったんだよね。

小学生の時、僕のところに来てくれたみたいにたくのところにも来たんだろうね。今だったら「へえ、たく、なんでこれ置いてあるの?すごい本だよ。読みなよ」って言って…、言うのが目に浮かぶでしょ。でも、僕言わなかったんだよ。意外でしょ。意外というか、その時にはだから、確信を得てなかったんだよ。いろいろ調べている、隅々まで調べていた段階だったから。そのことはすごい後悔している。

一番の親友だったかもしれないし。後悔というか悔やんでるかな。心に残るね。毎日そのことを思い出すというわけでは決してないんだけど、なんか悔しいかな。たくは心がすごい純粋で僕のこともすごい慕ってくれていたから、友直君が言うなら話聞かせてって多分言ったと思うんだよね。
その時にたくがどう感じるかは、たくの問題だけど、そういうこと自分が言うチャンスがあったのに、あえて言わなかったことは覚えてるね。

笹谷創:-2013年ぐらいに確信を得たとおっしゃていましたが、クリスチャンになるとはどういう状態を指すんですか?

尾崎友直:誤解みたいなのがすごい多いけど、「なりませんか」と言って、世界中のエホバの証人は伝道しているわけではないんだよね。聖書のよい便りを述べ伝えて、一緒に学んで、聖書読んで、当然判断はその人に任されているわけなんで、それがクリスチャンのおこなっていることだよね。すごくシンプルに言うと。

なので、僕も、全部読むのに3年かかったし、遅い方だと思うんだけど、もっと早く読める人もいるけど、3年かかったし、全部読んだときには、普通の本じゃないというのはすぐわかるというかね。

それに、その少年時代のこともあるから、大人になってもう一回、読み返して、だけど、疑問にわかんないところとかあるわけじゃない。読んで、「クリスチャンになります」と言ってなれるもんじゃないし、自分でもう本当に疑問が全部とけるまで、調べてだよね。

笹谷創:-周囲の方との勉強はいつから始められたんですか?

尾崎友直:確か、2010年の夏、EARというアルバムを作っているときに、亡くなった方の名前を出すってのもあれだけど、仲間と思っていた人たちとたくの家で飲んでいた人たち、何人かいたけど、自分が聖書を学んでいるってことを言いだすじゃない。

すごいデリケートな話だから、繊細に言わなきゃいけないんだけど、やっぱり否定的な意見が出るのは、それはその人の意見だからいいんだけどさ、でも自分は涙がこぼれなかったけど、ほとんど泣いているみたいな、うまく、答えられなかったし。

でも、どう考えても良い本だし、「自分は最近毎日読んでるんだ」と言ったら、自分の仲間に全員が言ったわけじゃないけど、言われると思ってなかったから。それをその時には確信はしてなかったけど、曲の中で言ったりしたね。

「この2年間、僕が毎日聖書を読んでいることを友達は多分バカにしてるんだろうな」と言ったけど、そういうのってデリケートな話じゃない。だけど、そういうことが歌詞に出てきたね(笑)言ってみたいみたいな(笑)


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