T-MAN

タイトル:もちかた

※本人の楽曲を聞きながらインタビューを読めます

『マイクを繋いでカセットテープに録音する作業をずっと繰り返していた』

4.音楽活動を始めるきっかけを教えて下さい

T-MAN:自分以外の人に好きな曲とかを紹介することってないやん。「これ、めっちゃかっこいいで」って、学校で友達に言うことはあっても友達とか以外に。街中で歩いている人に「これ、かっこいいで」って言うことなんかないやん、友達には勧めるけど。「このCDめっちゃいいで」とか友達に勧めるのめっちゃ好きやってん。

それで「やばい」ってなったら嬉しいやん、それの延長かな。それを友達とか以外にも「これカッコいいで」って曲をかけて、「これええな」ってなるのがええやん。それがDJやってん、ディスクジョッキー。あの人らカッコいいってなった時に、SoundMission*6というレゲエサウンドがあって、それを高校の同級生の稲田、ユッキーがしていて。

高校を卒業して稲田とかと一緒に大阪のクラブ、I to I とかに行って遊んでいた。
クラブ終わった帰りによく吉野家とか行ってて、「俺らもやりたいな」とか調子のってよく言っててん。KevinLyttle の Turn Me On*7 を口ずさみながら。

あいつがサウンドを始めていて「なんやねん」とか言ってたら、「お前も来い」ってなって「よっしゃ俺もやる」って。これで俺も人前にでるやつとか調子乗ってやっててんけど、それがめっちゃ楽しくて、毎日がめっちゃ楽しくて。

「当時のフライヤー」

Selector をしたり MC をしたり、そこから自分で歌いたいみたいになって、神戸の juicy night って、若手だけのイベントでそこでラバダブがあった。

-Reggae 自体はいつから聴いていたんですか?

T-MAN:日本人を聴いたのは高校生の時に、SoulRebel という日比谷でやっていたイベントのライブ音源のCD、HomeGrown バンドの演奏のやつ。寮の先輩に借りてそれを隣の部屋で聴いていて、日本人が歌うレゲエってかっこいいなって。そこからやな。それを聴いて面食らっていた。

日本人が歌うライブ音源を聴いて、そういう曲がたくさんの人前で流れる場所があるんやなと。
そこがクラブやねんけど、その流れで行って興奮しまくって、似た曲調でもっとかっこいい外国人が歌っているのも流れたりして。それが SuperCat であったり、当時のSizzla、「Thank you mama」とか。2000年ぐらいかな。自然と Sound をしたくなったのかな。

神戸のイベントは Sound として出演していて、その中でラバダブのオープンマイクが15分ぐらいあって、定番のCome Down Riddim が流れていたけど、歌い手が全然いなくて。ラバダブは色んな人が歌うけど、そこには一人しかいなくて、その人苦しそう。もたなさそうやって。

自分で考えた歌詞が一応あったから、「いけんちゃうかな」と思って。ばぁーと入って、初めて自分が考えた歌詞を披露した。ダダ滑りしたけど、ただ思い出としては良くて、それが初めて人前で歌った感じやな。

-それが20歳ぐらいの時ですか?

T-MAN:うん。酒が大丈夫の年齢ぐらいで深夜からスタートのイベントがめちゃくちゃ面白くて、音楽を流したり誰かが歌うってイベントが昼間にはあまりなくて、オープンマイクであったり、かっこいい曲が流れるイベントを見つけきれんかった。
毎週月曜日の夜中の I to I はパンパンやった。今の東西線よりパンパンやった、ほんまに。
KILLASAN MOVEMENT*8 のサウンドシステムで、東京からもゲストでサウンドが来てたりで、あの時、一ヶ月で1トンぐらいカシスオレンジ飲んだ。酒を覚えたてやって。


-今に至るまでの活動の経緯はどういった感じですか?

T-MAN:始めレコードとCDしか流せなくて、Bloodというバーでただただレコードをかけるだけ、BGMとして。ただ俺はかけることをカッコいいと思っていて、そこからさっき話した稲田とかの GachaSound*9 に入って、そこから歌うことになった。

途中で人前で歌うことは減ったけど、一人でずっと書いていた。
レコードの裏で練習したり、ターンテーブルからアンプを繋げてカセットで録音できるようにしてん。
カセットテープの録音ボタンを押して、ターンテーブルのスイッチを押す。マイクを繋いでカセットテープに録音する作業をずっと繰り返していた。めっちゃ長いこと。

「当時録音されたカセットテープ」

歌をやりたいから GachaSound を途中で抜けて、そこから歌い手で一人でやりだして、その時は Rinx って名前で活動していた。 KingstoneLounge の Sound Drive ってイベントやな。
DO-RA とか JACK とか、今は亡くなったけど金さんの Eliminator*10 とか居てた。そこに俺は Rinx って名前でレギュラーに入ることになって。ラバダブしかやっていなかったけど、そこが歌い手としてスタートを切れたときかな。

「Eliminator の金さんの追悼ダンスのフライヤー」

それまでも1ヶ月くらい仕事で長期出張に行ったら、レゲエバーを探したりしていた。青森に行ったときに、八戸の ONE DROP ってレゲエバーにいって、次の土曜日に baobab ってところでダンスしていると教えてもらった。

その時は、Mighty T-MAN という名前でやっていて、めっちゃダサイやろ。今は、T-MAN。
目の前でバーテンダーの人が電話してくれて、Mighty T-MAN という「T」多いやつが、ラバダブ行くから良くしてあげてって言ってくれて、それがもう10年以上前かな。13年前ぐらいかな。

その時が一番中途半端な時やった。歌い手を始めているのか、いないのか。「ただ Reggae 好きです」ぐらいの時。キャリアなのかどうかグレーかな。

-本格的にはいつから活動を始めたのでしょうか?

T-MAN:東京来てからかな。

-東京はいつ頃から?

T-MAN:東京来て歌いだしたのは、2012年かな。
7,8年ぐらい前に東京で歌いだして、その時に新木場のAgeha、あそこでチョップさん*11が下町ブギーってイベントをやっていて、そこでチョップさんを観て、ずっとCDで聴いていた人やみたいになった。

チョップさんに「Deejayしてます。今日もやばかったです。」みたいに話しかけに行ったら、チョップさんがジャニーさんみたいなノリで「youも来ちゃいなよ」ってなって、電話番号を交換した。ChopStickの連絡先やって、その時はめっちゃ興奮した。

次の日速攻で電話がかかってきて、「Theラバダブ」ってイベントが次2周年やから歌いに来いって言ってくれて。
遊びに来いという意味と思って、「ぜひ、行かしてもらいます」って言ったら、フライヤーを送ってくれて出る方やみたいな。

サングラス掛けた虫みたいなアー写を送ったら、ChopStick、MickyRich、たなけんとかが出ていて、そうそうたるメンバーの中に載せてくれた。

これは本気でいかないとやばいって。東京で初めてフライヤーに載った、出演者として音楽をさしてくれたのがそれやった。

「THEラバダブにて (左より T-MAN,TAKUYAMAN,ChopStick)」

-Crew を組まれている MFJ*12 のみなさんとは東京であってですか?
 
T-MAN:乃木坂の Cacutus で遊んでたら、ネロミというフランス人の女の子がいて、J-Rexxxさんの曲「ガイジンジャネーヨ!!」で歌っている人。綺麗なモデルみたいな子で、なんか知らんけど仲良くなった。

ネロミは渋谷のJUMPで出会って、そこで仲良くなった。ネロミが「あなた関西弁ね、私もう一人関西弁のヤツ知っている」って。それが ZEEVEL。紹介するって言われて、会ったら ZEEVEL がグイグイきてん、めっちゃグイグイ。そこからずっと一緒にラバダブをまわったり一緒に過ごすことが増えて、ある日、散髪したてのZEEVELが、代官山の蔦屋のカフェで「クルー組みましょう」って言うてきたのがMFJのきっかけ。

ラバダブをずっとまわっていたら仲良い人が増えて、「うちにもまた出てよ」って感じで埼玉のカシワヤって沖縄料理屋さんにゲストで出演した時に、今のクルーの ShockDem が同じようにゲスト出演していて、イベントの帰り道から、ShockDemの事を話してた。

そこから数日して、shock dem のホームの箱、大森ヤ満(大田区)で keepしてるremember the daysってイベントに遊びに行ったりして、shock dem の事をもっと知った。数日後、当時の広尾の ZEEVEL の家に集まって、「Crewを組みたい」と言う話をした。

それがクルーのきっかけかな。ZEEVELのあのグイグイが無かったら組んでないのかな。当時の、人からどう思われようが何しようが自分が思った事をグイグイ行く、あれがなければ。

ちなみに ZEEVEL ってギリシャ語で”オオカミ”って言うねん。パトワとかじゃなくてギリシャ語なんやって。あいつは本間にツッコみどころが多い。でも、グイグイのおかげでクルーができた。


*6…2008年に結成された大阪を中心に活躍していたReggae Sound。
*7…2003年に発売され世界中で大流行したKevin Lyttleのセカンドシングル。
*8…1986年国内で最初に Jamaican Sound System を導入した第一人者。
*9…大阪の地名・天下茶屋から名付けられた SoundMission の前身となるSound。
*10…KingstoneLounge で毎週日曜日 SoundDrive というイベントを主催していたReggae Sound。
*11…高いエンターテインメント性を誇るベテランの Reggae Deejay。
*12…T-MANが所属するReggae Crew。

『楽しさ増えるし、申し訳なくない、人間だけが牛耳っている感じ』

5.今後の目標を教えてください

T-MAN:身近なところやったら年内にでもアルバムはリリースしようかと。このアルバムは全部アコースティックでやろうと思っていて、過去に出した曲のアコースティックバージョンと7,8曲かな。
ミニアルバム。合計8曲ぐらいでやろうかなというのが、めっちゃ身近な目標。後は程遠いかもしれへんけど、動物と意思疎通がしたい、それが目標かな。


-自然に還りたい的なことですか?

T-MAN:言葉は難しいやん。ずっと犬飼ってて生まれた時から家におって、後、結構拾って来たりする。でも、犬って意思疎通できるやん。お腹減っているなと思ったら、フィーリングでいけるやん。もうちょっと幅広く動物と意思疎通したい。夢やけどな、難しいけど。

-そもそもなぜ意思疎通がしたいんですか?
 
T-MAN:わからん。
けど、めっちゃ良くない。絶対楽しいやん。楽しさ増えるし、申し訳なくない、人間だけが牛耳っている感じ。
喋れなくてもできたら意志疎通ぐらいはしたい。猫と喋りたいと思っている人、めっちゃおる。ヒントめっちゃあるやん。人間で思いつかないことを教えてくれる。
……困らしてごめんな。

でも、仲良くなりたいな。ある程度は出来ているねんけど、色んな動物とそうしたい。野良ネコとか。この辺、めちゃくちゃ野良ネコおる。南行徳、めちゃくちゃネコおる。よく見るネコもおって、野良ネコはすごい寿命が短いから一昨年とか仲良かったネコ、もうおらへん。みたら向こうも気づいてくれる。

-ネコ側も認識するんですね。

T-MAN:それは俺がエサをやっていたからかも。もっと意思疎通がしたい。それは遠いかもしれへんけど、近くしたい目標。

-最終的には田舎など、自然が多いところで暮らしたいとかあるんですか?

T-MAN:うん、めっちゃある。自然で暮らしたい。山じゃなくてもいいけど、出来るだけ自然が多くて。今でもテレワークとかあるやん。だから都心に出なくても仕事ができる環境でありながら、ある程度、生きていける収入があって、できたら自分で畑とかしたくて、釣りも好きやし。


「突然、岩に登りはじめた」

好きなテレビ番組が「ぽつんと一軒家」で、あれ、生き方みんなラスタマンやん。ラスタな生き方しているし、ヒッピーというか。社会にとらわれないというか、仕事は仕事でするけど、ライフスタイルは自分が好きなことに触れる時間が多い生き方やと思うから、出来るならそうしたい。宝くじとか当たったらそうする。

今のコロナで仕事の仕方とかすごい変わってきているから、家でも仕事ができるし。逆にこのコロナで道を見つけられる。せっかくやからそういうのをみていこうと思う。生きていける術をみつける。それも目標かな。正確にみてみようと思う。

-他に趣味などありますか?
 
T-MAN:家庭菜園。今プチトマトとオクラは育てていて、次の新曲も「家庭菜園」って歌。そこのホームセンターで買ったんやけどな(笑)生活で思ったことは全部言うていこうと。

-普段、先のことを考えたりするんですか?

T-MAN:理想ばっかりやな。ああしたい、こうしたいはめっちゃあるから、まあ具体的にできることを一個一個やるな。やったら夢に片足を突っ込んでいるのと一緒やから。片足を突っ込んどきたい。いつでもグイってできるやん。
スタートしないのが一番もったいない。モヤモヤが残る。一回、入っときたい。そうしときたい。入っときたい。それは、実行している。うん、入る。

『今まで、家が借金取りに追われたりしたけど、ないならないで笑える出来事が多い』

6.お金についてどう思っていますか?

T-MAN:あったら便利なチケットやな。あったら便利、回した方がいいし、世界的に回すスピードが早いと思う。ついて行かれへん人めっちゃおるから、それでホームレスになったり、お金=社会って考える人が多い気がする。
まあ、きって切り離せないけど、「そのスピードについていかなくても、生きていけるのも社会やで」とみんなに認識してほしい気がする。
あんまり偉そうなことは言われへんけど、別にお金のスピード=社会のスピードではない。社会なんて一人ひとり違うし、隣の村に行ったら変わるし。

だから、あったら便利なチケットでなかったらなかったでも生きていけるし、でもないとまずいかな、今の環境やったら。お金を使うことはいいけど、お金に使われるのは良くない。あれは使うものであって使われるものではない。アイテムやな。

-使われるというのはどういうことを指していますか?
 
T-MAN:とらわれて”稼がなあかん”とか、金に操られる。”もっとたくさん持たなあかん”という思考を植え付けられたりしたら、その人が生まれてきたものがお金によって支配される。もったいない。あればあるだけいいものではない。

今まで、家が借金取りに追われたりしたけど、ないならないで笑える出来事が多い。笑ってしまうことが多かった。家があさま山荘の鉄球みたいにつぶされた。実際にお金がなくても辛いとかはなかった。

餃子屋でバイトしている友達が、餃子の具をタッパーに入れて持ってきてくれたり、水とかくれたりしたから余計に友達のこと気づかされることがあった気がする。
お金がないがゆえに。ほどよくあればいい。ちょっとないぐらいの方が幸せかな。ちょっとあるよりちょっとないぐらいの方が楽しい気がする。

『ずっと憧れているのは村越周司さんやな』

7.音楽をやっていなかったら何をやっていると思いますか?

T-MAN:絵が好きで絵かな。粘土でなんか作ったり、後は物書きとかかな。
詩じゃないけど、結構根暗な感じのが好きで。絵は描くかな。絵、めっちゃ好きで描いていたと思う。
でも、音楽を聴きながら描いているかな。今は音楽をやる側やけど、やってなかったとしても音楽を聴いている。
絶対、音楽ありきで聴きながら絵を描いたり、好きな音楽に自分が思ったことを絵で描いてみたりしている。

「作・T-MAN」


-音楽はずっとあるんですね。

T-MAN:せやな。ずっとあるなあ。直接通さないかもしらんけど、好きやから聴きながらやっているなぁ。後は、酒飲みながら草野球している普通のちっさいおっさん。

-詩も書かれたりするんですね。
 
T-MAN:しょうもない俳句書いてたりしていた。今でこそ、スマホにメモが入っているけど、前のガラケーの時は自分にメール送れるやん。それをメモにしていた。大体ダジャレやった。それがリリックなのかもしれない。

-今のリリックに近しいんですか?

T-MAN:昔書いていたダジャレを今も使うな。ダジャレって韻を踏んでいるやん。使いまくっているな。

-これがこのリリックになったなど例はありますか?
 
T-MAN:少年野球の歌で、野球って応援ソングあるやん。阪神の六甲おろしとか。
少年野球の応援ソングってただただ歌うねん。その中で自己紹介的な歌があって「センター前、ライト前、ついでにバッター男前」的なのはたまに使う。

後は金持ちのハゲっていいカツラを被るやん。「良いヅラ買ったの言いづらかった」とか、ポンコツインク*13のライブでもそれを言ってみたな。


-色んなエピソードもってますよね。

T-MAN:面白かったことはずっと覚えている。多分何回もベロベロで同じ話していると思う。さっきの音楽をやっていなかったらの質問じゃないけど、芸人を目指していたかもしれへん。自分でも一発芸めっちゃあるから、めっちゃって言っても9個ぐらいやな。

-好きな芸人だれなんですか?

T-MAN:ミーハーなところで言えば野生爆弾のクッキーさん。後は板尾創路さん、ずっと憧れているのは村越周司さん*14やな。

-ケンドー小林さんの元相方ですよね。
 
T-MAN:そう、村越さんのでっかいプードル、でっかいプードルは気持ち悪いけど好きやという、でかぷーという歌があんねんけど、それをカバーさせてもらってん。その歌めっちゃ好きやって、なぜかある日、村越さんが俺を知ってくれていて、SNSで連絡がきた。

テレビとかで観てて、村越周司さんめっちゃ面白い。大阪でゴミ収集車くるやん、あれって音楽が流れながらくるやん。「ててててん、ててん♪」的なやつ。村越さんがその音で踊っていて「俺今ゴミ収集車の中で奇跡的に生き延びてんねん」ってネタがあって、「それとって!でも8分後!」ってネタがあって、「ジーパンの裾するぐらいやったら、頭擦ったほうがマシや!」っていうネタがあって、全部フルパワーでやってはって、それからめっちゃ好きなって。
ネタめっちゃ好きやし、全部ひっくるめて好きやねん。

「村越周司さんとT-MAN」

ギャグも4000発ぐらいあってもういっこ好きなネタがちんこのネタ。「右寄りよりよー」「左寄りよりよー*15」ばりだるいネタ。そんなんめっちゃ好き。

でっかいプードルも色んなジャンルでカバーしていて、ロックバージョン、ヒップホップバージョンがある。
ヒップホップバージョンは、八空さんという方がカバーしている。
レゲエバージョンは何か知らんけど俺で、全力でハンターチャンス獲ったよね。芸人もしたかったなぁ。


*13…T-MANが所属する Reggae Deejay の集団。
*14…陣内智則、ハリガネロック、中川家、たむらけんじらと同期の大阪NSC11期生のピン芸人。
*15…バブルガムブラザーズの「Won’t be long」の歌詞をもじったギャグ。


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