ボウガイズ

タイトル:ジェネレーションX

※本人の楽曲を聞きながらインタビューを読めます

『それで言ったら、ムーニーの「し」問題。』

2.創作の方法

-トラックはどう作っているのですか?

FAT-LEE:トラックは僕とmu knee manの二人ですね。
ただ、一緒に作るってことは稀です。それぞれ別々に作って。

mu knee man:自分たちの曲は自分たちで作るのがほとんどですけど、最近は人に作ってもらったりも増えてます。

-機材はどういったものを使っていますか?

mu kenn man:MPC1000ってやつを使ってます。FAT-LEEさんに貰ったやつ。

FAT-LEE:元々貸してたんですよ。なんか興味あるっていうから。
そしたらパッドの感度が悪いとかで勝手に修理して。それであげたんですけどね。
だから、この元々貸しててそしてあげるっていう、これは森友学園と同じスタイルです(笑)。

-トラック作成にあたり心がけていることとかありますか?

mu knee man:そんな、こうしようみたいなんで作れないんで、こうなった、でOK。

FAT-LEE:サンプルで抜くのも手癖というか、なんか同じような感じになってしまいますよね。
全然違うアーティストから抜いてトラック作っていても。
元々好きだったんが、90年代のヒップホップとかで。ミドルスクールが好きなんで、やっぱりそのへんの感じを(意識して制作する)。

-テーマは決めてリリック書くんですか?

mu knee man:テーマ決めてからですね。

橋本ハム太郎:テーマはみんなで話して決めます。急に誰かが作ってくるっていうのもありますけど。
基本的にみんなで話しているうちにテーマは。曲によってはフックとかもみんなで作ります。

mu knee man:FAT-LEEさんが先にワンバース書いてくるのが多いですね。それに合わせて俺が書くみたいな。

FAT-LEE:あとはよろしくパターンですね。
リリックの書き方について細かいこというとね、僕はトラックを聞きながら書かないんですよ。
トラックは最初聞いておいて、頭で鳴らしながら書く。
彼とたまに一緒に書くんですけど、鳴らすからうるさいな思って(笑)

mu knee man:鳴らしながら書けるトラックと、鳴らしながらじゃ書けないトラックがあって。
なんか違う。これ鳴らしながらだと全然書けないやみたいな。

-リリック書いてからフロウ、ラップする感じですか?

mu knee man:それもあるし、鳴らしながらの場合はそのままラップする感じだけど、
鳴らさないやつはまず書いて、後でトラック鳴らしながらイントネーション考える。

*「いい表情のボウガイズ」

-参考にしているラッパーとかいらっしゃるんですか?

mu knee man:omsbとかS.L.A.C.Kとか。やっぱ、訛っているんですよ、その人たち。
イントネーションが普段話している感じじゃない。でも日本語だから内容はある。聞き面は日本語じゃない。
そういうのを目指していて。

FAT-LEE:僕はチャックDと宇多丸師匠とECD。いかに僕らが対照的かというのがわかるでしょ。
フロウでいっても、話す言葉から第一段階ラップに変形したところと、それ以上変形させるかで変わってくると思うんですよ。
彼は第一段階からその先をやろうと。僕そういうの嫌いなんですよ(笑)
僕は第一段階のところでやってて。でも、彼の影響もちょっと最近はありますけどね。

mu knee man:それぞれ好きにやればいいんで。

橋本ハム太郎:それで言ったら、ムーニーの「し」問題。

FAT-LEE:例えば「タクシー」とか。

mu knee man:「馬刺し」。「お刺身」。

FAT-LEE:最初出会った頃、「し」を「すぃ」って発声してたんですよ。
それはある時期からの日本語ラップの感じからすれば、あるっちゃあるんですけど、それはあかんと。
「し」は「し」や。「し」を「すぃ」と言うな。それだけは言いました。

mu knee man:それは改めました。
言われてみたら「し」が「すぃ」だと内容が入ってこない。目指しているものと違う。
なんか、自分でゲームをやっている感じなんですよね。縛りゲーというか。
ほとんど日本語で英語は使わず、でもイントネーションは普段使っているものじゃなくて、で、意味は通じる。
できれば歌詞カード見ないでもちゃんと(意味がわかる)。けど、聞き面は日本語じゃない、
みたいなゲームを勝手にやっている感じ。それだと「すぃ」じゃだめだった。

橋本ハム太郎:別にomsbもよくよく聞いたら「すぃ」とは言っていない。
「すぃ」って言っといたら訛るってもんでもないし。

FAT-LEE:でも、聞こえは良くなんねん。「ららららやってるし(フロウ)」「ららららやってるすぃ(フロウ)」
やっぱフロウ違うから、すぃを言いたくなる気持ちは分からんでもないが、そこは日本語ラップやから。
限界突破をせねばならん、「し」で。

mu knee man:他の人が「すぃ」やる分には全然良くて。俺が勝手にやめただけなんで。

FAT-LEE:自分で言うのもなんですけど、そこから彼のラップは飛躍的に良くなりましたね(笑)

mu knee man:「し」問題で、こういう自分ルールでやりたかったんだなって。
ルールに気づいたというか。

橋本ハム太郎:mu knee manとの出会いはツイッターなんですよ。
ツイッターでDMが来て。ほんで会って、一緒に曲作ろうってなって。
そこで最初にフロウが、まあさっきも喋ったように、やろうとしてることが全然違った中で特に「すぃ」が。
そこは最初の数ヶ月、かなりディスカッションを、その調整があったけど。

FAT-LEE:でもフロウがなんとかと言っているけど、前のラップは結構単調やったで。
それがすごい工夫をせねばってなったんちゃうかなと。俺は「すぃ」きっかけで逆に。

橋本ハム太郎:「し」問題はもう解決しました。

FAT-LEE:彼はいいラップをしてますよ、本当に(笑)。って誰やねんって。

*「就職活動時のmu knee man氏」

『彼のラップは神の視点が多いんですよ。三人称が多い。』

3.好きなアーティスト、憧れのアーティスト

mu knee man:俺はもうomsb。

-どういうところが好きなんですか?

mu knee man:「think good」という曲があって、それ聞いてもう、ばち喰らって。

FAT-LEE:あれはいいな。

mu knee man:目指しているゲームの最上級プレイヤー。ハイスコア出してる、みたいな。
昨日、一昨日ぐらいに新曲出したんですけど、基本日本語なんすよ。でも聞き面が全然日本語じゃない。

-イメージとして、もっとダークサイドなのがお好みかと思っていました。

mu knee man:omsbさんも、そういう要素は結構。落ち込んで暗くなった時みたいなのは。
「think good」もそういうところはある。素直に強いぞという感じでもなくて、弱いところもあるけど、そこから立ち直っていく。

橋本ハム太郎:でもリリックの内容で言ったら、全然(omsbとは)違うけどな。

mu knee man:内容はそうですね、内容で影響受けたのはK dub shineとか。kohhとか。あとはZONEとか。
その3人は、固有名詞がすごい多くて、そこはすごい影響を。

FAT-LEE:影響の受け方、表面的過ぎひん(笑)

橋本ハム太郎:すごい表面的な影響の受け方。逆にそれがすごい。

mu knee man:固有名詞って入れるとすごい面白い。
精神世界的なラップもかっこいいですけど、固有名詞があると、具体的になると、景色が浮かぶ。

橋本ハム太郎:彼のラップは神の視点が多いんですよ。三人称が多い。

FAT-LEE:そういう意味ではK dub shineもそういうの多いかもしらんな。

-自分の主観より俯瞰した歌詞の方が多いんですか?トマスさんは。

FAT-LEE:ムーニーでいいっすよ。

mu knee man:どっちでもいいです(笑)

橋本ハム太郎:今、トマスでもないですからね。今はランス・ピンチョン。

FAT-LEE:わけのわからん名前でやっとんすよ。

橋本ハム太郎:itaqくんというラッパーにつけてもらった名前。

mu knee man:本当に名前はこだわっていないんで。
*mu knee manはソロ名義の時はLanc3 Pynchon名義で活動中。

-FAT-LEEさんは意識しているアーティストはいるんですか?

FAT-LEE:ライムスターですね。恥ずかしながら。もうこの呪縛は解けないです。
結構ずっとですよね。zeebraとか聞いてもかっこいいんですけど、DABOとかもかっこいいんですけど。
なんか違うなぁというか、それをやろうとしたら嘘になるんですよ。
自分がやるとね。ライムスターはそういう人を救ってくれますよね。
あれやったら目指してもいいというか、嘘なくいける。

-zeebraさんとかDABOさんと、ライムスターさんはどう違うんですか?

橋本ハム太郎:ライムスターの二人って、どう見てもB-BOYじゃないじゃないですか。
でもB-BOYじゃないけど、B-BOYイズム歌えるところがいいんですよ。

FAT-LEE:ハムちゃん良いこと言う。
やっぱりヒップホップとか日本語ラップとかを俯瞰して見ざるを得ないというか、
ぐっとプレイヤーとして、主体として主人公として入っていける人は、zeebraとかDABOとかANARCHYとかいけると思うんですけど、
自分はそうはなれんなぁって思っている人でも、でもやってもいいんだよっていうのを、そういう戦い方ですね、戦い方をライムスターからは教えてもらいましたね。
スチャダラパーまでいくとちょっと俯瞰しすぎで、またちゃうんですよ(笑)

橋本ハム太郎:あとタイマーズは?

-衣装がそうですもんね。

FAT-LEE:清志郎も、チャックDとかもそうですけど、嫌なこと言うじゃないですか。良い気持ちにさせてくれないというか。
天邪鬼かもしれないですけど、世の音楽は良い気持ちにさせるのばっかりでしょ。
まあ音楽の本質としてそうなのかもしれないけど、ただそうなると僕は違うのをやりたくなる。
タイマーズくらいそれをスマートにやれたら理想ですよね。でもあれは格好良すぎる。

橋本ハム太郎:同じ格好してる分、余計に差がよく分かる(笑)

*「麦焼酎のソーダ割りの最適な割り方を探求するFAT-LEE氏」


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