ボウガイズ

タイトル:マネー音頭

※本人の楽曲を聞きながらインタビューを読めます

『記憶に残っているのは、橋本ハム太郎さんが「おれは面白いで」って(笑)』

4.ボウガイズ結成秘話

mu knee man:いつだったっけ。2017年か。

FAT-LEE:元を辿れば、僕は元々ゆとり FUN GROOVEというユニットをやっていたんですよ。
僕と鶏冠FUNKというラッパーでね。
で、仲がこじれたんです。そしたらハム太郎が「新しいメンバーをいれよう」と。
ほんでツイッターで新メンバー募集って。

橋本ハム太郎:ラッパーじゃなくてもいいですって。陶芸家可って。

FAT-LEE:そんなん誰が来んねんって。そしたらmu knee manと名乗る男から連絡が来て。

橋本ハム太郎:補足すると、そうやって新メンバーを募集したのはゆとり FUN GROOVEがその時点で解散する予兆があったから。
だから新しい風を入れたらなんとかなるんじゃないかみたいな思惑があってメンバー募集をかけたわけ。
でもmu knee manから連絡が来た時点で、もうゆとりは完全に終わっていた(笑)

FAT-LEE:僕はゆとり FUN GROOVEを高校からずっとやっていて、メンバーといっしょに上京までしてきて。
だからこれが終わったらもう音楽も終わりかなって。その頃仕事も忙しかったし。家族も増えましたしね。
そういう状況でmu knee manにとりあえず会いに行ったわけです。

-お互いの最初の印象は?

橋本ハム太郎:暗い奴(笑)

FAT-LEE:いやでも好青年やったで。最初は彼も緊張していたのか話を合わせてくれて。
あ、いけるんちゃうかなって。

橋本ハム太郎:でもせやな。最初TBSラジオの話しかせんかったもんな。上野の鳥貴族で。

mu knee man:まだメッキが剥がれていなかった。

FAT-LEE:組んでからですね、気づいたのは。やばい奴やったと(笑)。それが僕らからの第一印象ですね。

mu knee man:僕の場合は、それまではずっと一人でやってて。地元の埼玉県のライブハウス出るくらいで。
なんか他の人といっしょにやりたいなと思って。友達欲しいなって。
それでツイッターで検索したら出てきたのがゆとり FUN GROOVEだけだったからDMして。
友達が欲しかったんです(笑)

-印象はどうでしたか?

mu knee man:記憶に残っているのは、橋本ハム太郎さんが「おれは面白いで」って(笑)

FAT-LEE:やばい奴やん!

mu knee man:あとFAT-LEEさんとラジオの話して、伊集院聴いてるって言ったら「伊集院おもろいか?」って。
基本的にはいい人たちだなって思いましたけどね(笑)


*「ゆとり FUN GROOVE時代のFAT-LEE氏」

『PDCAサイクルってあるじゃないですか。僕らは常にAですよ。』

5.今後の目標

FAT-LEE:目標嫌いなところがあって。
仕事しててしみじみ思ったんですけど、目標をすぐ立たせる世の中じゃないですか。
でも目の前のなにかしらをやっていれば自ずとやるべきことが見えてくるっていうのが僕の信条なので。
だから短期的なものしかないですよ。まあ、売れたらいいなとは思いますけどね。

-何か具体的な動きはあるんですか?

FAT-LEE:え?

-例えばアルバムを作るとか。個人的な目標でもいいですけど。

FAT-LEE:ああ、ないですね。

橋本ハム太郎:目標なんかないですよ、ボウガイズに。

FAT-LEE:んー、それこそ「ダンスandダンス」という曲があるんですけど、あれなんかもだいぶ前から作りたいなって思ってて。
それで明日賀友朗というシンガーソングライターに会いに行って、曲を一緒に作りたいって申し出て。
それでやっと完成したので、まあ目標を達成したといえば達成しましたけどね。
そういう意味での目標というのは常にありますけど。

mu knee man個人の目標としては楽理をもっと勉強して理論をもっと分かりたいとか。コード進行とか覚えたいですね。
あとはまあ、今まで作った曲よりも良い曲を、新しいフロウとかを作りたいですね。

-生活面の目標でも。

橋本ハム太郎:mu knee manは就職やろ。

mu knee man:就職もしたいですけど、あとジムにも通ってるんですけど、もう少し重いものを持てるようになりたいなとか。
できることを一つずつ増やしていきたいです。

FAT-LEE:だから我々には長期的な目標はないんです。目先の目標だけがあって。
強いていえば続けるっていうことくらいで。

橋本ハム太郎:あったらもっとちゃんとしてますよ。その場その場で対処してるだけなんで。
PDCAサイクルってあるじゃないですか。僕らは常にAですよ。アクションアクションアクション(笑)。
一つもチェックしてないし、プランもないし。だから売れないんです。

mu knee man:この前も年内にアルバム作ろうって言ってたんですけど。それももう頓挫しそうですよね。

橋本ハム太郎:そんなことなかったかのように(笑)。まあ4曲入りのEPくらいは今年中に。

mu knee man:年末にはシングルになってますよ(笑)

橋本ハム太郎:それでいったらおれはトラップの曲を作りたいな。FAT-LEEが嫌がるだろうけど。

FAT-LEE:まあトラップは嫌いですね。
いや、たまにはトラップやってもいいと思ってるよ。でもトラップばっかやってんちゃうぞと。
挙げ句の果てにはミドルスクールのサンプリングの曲をブーンバップ呼ばわりするやろ。
ブーンバップなんて名前はない。

mu knee man:これはFAT-LEEさんの意見なんで。僕はトラップもやります。

FAT-LEE:変化球があるから直球なんて言葉があるんですよ。
最初はみんな名前のない球なんですよ。そこに変化球なんか投げるやつが出てくるから直球と名付けられてしまうわけで。

橋本ハム太郎:この前さ、彼女に「なんで男の人ってすぐ野球で例えるん?」って言われて(一同笑い)
これは結構本質的な問題やと思ったわ。男とは何か、日本人とは何かっていう。

FAT-LEE:確かに。俺全然野球詳しくないのにな。なんで野球で例えてまうんやろ。

橋本ハム太郎:文化人類学やで、これは。
新書で出さなあかん、「男はなぜ野球で例えるのか」って(笑)

『違う違う。鬼ごっことか隠れんぼとか。0円だったんで。』

6.お金についてどう思いますか?

FAT-LEE:お金ねえ・・・難しいもんですね・・・。

橋本ハム太郎:うーん・・・。

(一同しばし沈黙)

FAT-LEE:子供できてから金は欲しくなりましたね。月並ですけど。それまではそんなでもなかったんですけどね。
なぜ金が欲しいかというと、子供ができるとやはり家に入れるお金を多く求められまして。
そうすると自分の遊ぶお金がなくなりまして。飲み代とかですけど。
それを捻出しないといけないので、転職しましたね。自分の遊ぶお金のためです。

-なるほど。

FAT-LEE:金に関しての不安はずっとありますね。不安でしょうがないってのはあります。
一応娘が二人いて、普通に生活できてるんですけど、やっぱり不安ですね。
どうやったら金って増えるんやろうって。娘ができてやっと具体的に動けたというのはあります。
それまでは不安になってるだけやったんですけど。

-なぜ不安なんですか?

FAT-LEEえ、お金ないと死んじゃうじゃないですか(笑)
いや、例えば吉野家行って50円の卵つけるかどうかで悩むって恐怖じゃないですか?
どれくらいお金があったらそこで悩まなくなるんやろうって。いつまでここで悩むのか。
なんぼほど稼いだら鳥貴族に行かなくて済むようになるのだろうかと。
まあ仮に僕が年収1000万超えても鳥貴族には行くような気はしますけどね。

-ハム太郎さんはどうですか?

橋本ハム太郎:それこそ昨日彼女と話してたんですけど、結婚したら家にお金入れないといけないとか。

FAT-LEE:今でも入れろよ。

橋本ハム太郎:(笑)今ヒモ状態なんでね。
まあお金なんかある人が払えばいいんじゃないですか、ない人の分も。

FAT-LEE:究極の共産党みたいな発言。

橋本ハム太郎:いや、払ってもらう側も気持ちよく払ってもらえるよう色々気遣いせなあかんから(笑)
まあお金は大事ですけど。あんまりお金のことばかり考えるのも、ね。
遺書ってあるじゃないですか。あれ結局お金のこと書くでしょ。なんで人生最後に残す文章が金の話やねんと。
なんかごっつ虚しいと思って。だから僕はポエムを遺してやろうと思ってますよ。
そんな骨肉の争いが生まれるような遺産もね、僕には残せないでしょうし(笑)

-mu knee manさんはどう考えていますか?

mu knee man:ないと困るもんですよね。なくなると趣味のラップもできなくなるし。
Netflixも見れないし。基本的に楽しいことするにはお金かかるんで。でも、小さい時は違いましたけどね。

FAT-LEE:それは養ってもらってたからやろ。

mu knee man:違う違う。鬼ごっことか隠れんぼとか。0円だったんで。
ああいうのなくなりましたね、大人になって。まあラップがちょっと、それに近いのかなって感じはしますけど。
楽しく過ごしたいですよね、お金があってもなくても。

橋本ハム太郎:死ぬ直前にお金をいっぱい稼げて幸せだったなって思いながら死ぬ奴はいないと聞きますからね。


*「高校時代の橋本ハム太郎氏」


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